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マネジメント

第15回 ”コヒコク”の危険

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

ある先輩から、
「管理職、それも上級管理職になると“コヒコクの危険”があるぞ」 と、脅かされたことがある。

それは何かというと…(コ)交際費、(ヒ)秘書、(コ)個室、(ク)車 といった、

管理職だけに許される特権とでもいうべきいくつかの付加給付(コ・ヒ・コ・ク)が危険だ、というのである。


おおかたのビジネスマンにとって、これらはある意味では目標であり夢でもあるだろう。
ビジネスマンである以上、出世の階段を昇っていくことは、
とりも直さず、これらの“特権”をわが手におさめることになるのであるから。

しかし、夢は一方で、“危険”ともなり得るというのである。


彼によれば、こうである、

  (1)交際費…だんだん社費を遣うのに慣れ、感覚が麻痺し、しまいには私金と公金の
          区別がつかなくなる。身を誤る危険性をはらんでいる代物だ。

  (2)秘書……自分自身で何もやらなくなるので、次第に、コピーの一枚もとれなくなる。
          航空券の予約など論外だ。
          もちろん、職務上はそれで構わないが、ひとたびその職から離れた時の淋しさは…。

  (3)個室……本音の情報が入りにくくなる。
          現場から離れた世界であるため、どうしても自分の都合のよい(脚色された)情報だけが
          入ってきがちで、ナマの本音から遠ざかりやすくなる。
          私自身、時間の許す限り外部との接触を絶やさぬようにしているが、それでもまだまだ
          不充分であることは、自分が一番わかっている。

  (4)車………車を頻繁に使うので足が弱まり、老化が早まる。
          街や市場の空気から遠ざかり、足元の景気を肌で感じることができなくなる。

そして全体を総合しての最大の危険は、自分が本当に偉くなったような誤解と錯覚を持つようになる。
 “コヒコク”に代表されるステータスというのは、すべて諸刃の剣である。

私は組織の中のポジションなどというものは、しょせん“浮世の義理”であり、“仮の約束事”だと思う。

ポジションとか、それに伴う付加給付とかは、私自身の本質的価値とは無関係なものとして、
何時なくなってもよいように心の準備をしている。

ビジネスマンの夢を無残に打ち壊すつもりはないが、
何時もこれくらいに醒めていてちょうどよいくらいで、溺れてはいけないのである。 


 『人生の成功者』とは、ステイタス・シンボルの有無に関係なく、会社を離れた自分とバッタリ会った昔の知り合いが、
「やあ、新さん久しぶりですね。どうで す、一杯飲りませんか」と誘ってくれるような人のことだと私は思う。

ちなみに、「コヒコクの危険」を私に教えてくださったのは、我国でただ一人の「加齢評論家」であった故・福田常雄先生だ。

84歳でお亡くなりになるまで、「永遠の青年」を貫き通した大先輩である。



新  将命     

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