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マネジメント

第176回 『壁に突き当ったときの言葉』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

長いビジネス人生の中で、
考え方と身の処し方の拠りどころとなった言葉がある。
いわば《私を支えてくれた言葉》である。
 
その中のいくつかを紹介してみたい。
 
(1)
 「何かをやってうまく行くためには、
  すべからく《FUN》でなければならない」・・・
 
ジョンソン・エンド・ジョンソン時代の総本社のCEOであった
ジェームス・バーク氏が繰り返して言っていた言葉である。
 
眉間にシワを寄せて引きつった顔でコトに当たってもうまく行かない。
楽しみながらやれば成功する・・・という教えである。
 
《FUN》をひとつ間違えると、《不安》になる。
 
 
(2)
 「幾何学の世界では、A点とB点を結ぶ最短距離は直線だが、
  ビジネスの世界ではそうとは限らない。
  途中には、山もあれば谷もある」・・・
 
日本コカ・コーラ時代のイギリス人上司から学んだ言葉である。
 
生来気が短い上に若さ故の功名心が人一倍強かった私は、
とにかく早く結論を出そうとばかりに
ぐいぐいゴリ押しをする傾向が強かった。
 
ところがどうも思うようにはいかない。焦りばかりが募る。
 
そんな私を見るに見かねての、上司からのアドバイスである。
 
「ものの見方には直線よりも曲線の方が短いこともある」
というのは、私にとっては開眼の言葉であった。
 
 
(3)
 「会議に出席したら、その会議に対して自分が
  どんな付加価値を提供できるのかを、いつも考えなさい。
  最低2回は発言しなさい」・・・
 
これもコカ・コーラ時代のアメリカ人上司のアドバイスである。
 
とかく日本の会社の会議はというと、発言する人はせいぜい1~2名だけで、
他のほとんどの出席者は、ただそこにいるだけ…というイメージが非常に強い。
 
肝心なのは、自分が出席者の一員として
会議そのものの価値を高めるために貢献しなければいけないという、
アメリカ的といえばアメリカ的、当たり前といえば当たり前の発想だが、
《最低2回は発言》というあたりは、いかにもアメリカ的という感じもする。
 
 
(4)
 「PRIORITY(優先順位をつける)」・・・
 
ジョンソン・エンド・ジョンソンの社長時代に会長であった、
フランク・ディアンジェリイ氏の言葉。
 
ひとつの会社や一人の人間が本当に良い仕事をしようと思ったなら、
一度にやれることには限りがある……という教えである。
 
ヒト・モノ・カネを含む経営資源にはどうしても限りがある。
限られた資源を使って最大の効果を挙げるためには絞り込みが肝要である。
…という、ビジネスの基本ともいえる。
 
《すべてを追えば、すべてを失う》という。
 
成功者にみられる共通的特徴は、
選ぶ勇気の前に捨てる勇気を持っている、ということのようである。

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