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統計データを経営に活かす 第1回「アタマ」と「ココロ」のバランス

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統計データを経営に活かす 岩崎邦彦
■岩崎邦彦(いわさきくにひこ)氏
静岡県立大学教授/「小が大を超えるマーケティングの法則」著者
上智大学卒業後、国民金融公庫を経て東京都庁に転じ、労働経済局にて中小企業の経営支援、地域振興に携わる。静岡県立大学教授となった今も一貫して中小企業が活用できるマーケティングの実践手法を研究し、経営支援で東奔西走の日々を送る。主な著書に「引き算する勇気:会社を強くする逆転発想」、「小さな企業を強くするブランドづくりの教科書」(日本経済新聞出版社)他多数。



統計データを経営に活かすというテーマで毎回、お伝えしていきます。
さて、最初に質問です。あなたは、次の文の空欄にどのような言葉を入れますか?

雪がとけると「   」になる

この質問を全国の消費者1000人に空欄に言葉を入れてもらいました。
その結果、もっとも多かったのは、「水」と入れた人で、全体の64%。次に多かったのは「春」で、全体の25%でした。自由に単語を入れてもらったにも関わらず、「水」と「春」の2語だけで全体の9割に達しています。日本人は「水タイプ」と「春タイプ」に分かれるといってもよいかもしれません。

興味深いのは、この次です。

この質問と一緒に、回答者には、自分は「論理的思考が優れている」と思うのか、「感性が優れている」のかを聞いてみました。

「論理的思考が優れている」と回答した人に限ると、「水」が71%にのぼり、「春」はわずか11%。

一方、「感性が優れている」と回答した人に限ると、「水」は半数を割り、「春」が前者の3倍以上の35%にのぼります。つまり、「水」=“論理”、「春」=“感性”といった傾向がみられます。

「雪がとけると“水”になる」。論理的な考え方であり、サイエンスです。

一方、「雪がとけると“春”になる」。こちらは情緒的な発想であり、アートです。

この質問を取り上げたのは、マーケティングに成功するためには、サイエンス的な要素で消費者の「アタマ」に訴えるだけでなく、アート的な要素で消費者の「ココロ」もとらえることが大切だからです。

あなたは「水タイプ」の経営者でしょうか、それとも「春タイプ」の経営者でしょうか。 

参考文献:岩崎邦彦「小が大を超えるマーケティングの法則」/日本経済新聞出版社

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