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税務・会計

第32号 不正が起きる環境

会社を守り抜くための緊急対策

 2014年度の税制改正大綱によりますと、復興特別法人税の廃止は1年前倒しされ、また、これまでは中小企業にだけ認めていた交際費の50%非課税を大企業にも適用する措置を盛り込みましたが、中小企業には無関係です。
 消費税率は14年4月に現行の5%から8%に引き上がり消費増税に伴う家計負担は増加します。さらに2015年10月に、税率が10%に引き上げられることは間違いないでしょう。
 税金の負担増はそれだけではありません。
 東日本大震災の復興に充てるための復興増税は、先ほどお話したように復興特別法人税を廃止しますが、復興特別所得税は2037年12月末までの25年にわたって所得税額に2.1%が加算され続けられます。
 復興増税は「所得」に課税されるため給与だけではなく退職金にもかかりますし、株式の配当金や預貯金の利息にもかかります。
 現行で年500円を上乗せしている復興特別住民税も、2014年6月からは年1000円に引き上げられます。
 年収1500万円超のサラリーマンに認められている一律245万円の給与所得控除は、対象となる年収を1200万円超に引き下げたうえ、控除額を230万円に減らされます。その分、年収1200万円超のサラリーマンは所得税と住民税が増えることになるのです。
 さらに年金保険料の値上げは2014年も続きます。
 給料が期待どおりに上がらなければ、家計から失われる可処分所得はかなり多くなることを覚悟する必要があるのかもしれません。
 相続税の増税もあります。2015年から、基礎控除額が「3000万円+600万円×相続人の数」になり、現行よりも控除額が約4割減ります。さらには現在50%の最高税率が55%になるのです。
 さらには自動車税については、購入時に減税がありますが、継続保有の場合には自動車税も、車検時にかかる自動車重量税も増税されます。中古車への負担が増すことで、新車に買い替えやすくしようという狙いがあるのです。ちなみに、エコカー減税も2年延長されています。
 軽自動車税も、2016年4月以降、現行の7200円から1万800円に引き上げられます。
 まさに個人が横領する下地が出来たといえるのです。
 ちなみに減税もあるにはあります。
 例えば・・・
 所得拡大促進税制の拡充、設備投資減税の拡充、復興特別法人税の廃止や法人実効税率の引き下げです。
 所得拡大促進税制とは、個人の所得水準の底上げをさらに促進していくため、適用年度を平成30年3月31日まで制度を2年間延長するとともに、従業員への給与などの支給額を基準事業年度から5%以上増加させるという要件を、適用1~2年目については2%、3年目については3%、4~5年目については5%と段階的にするなど緩和しています。
 控除額については、支給増加額の10%(法人税額10%(中小企業等は20%)を限度)を法人税の税額控除として申請できるというものです。
 しかしながら、大企業以上に、中小企業では積極的に賃上げは出来ません。出来たとしても、賞与などの一時金が精一杯です。
 そもそも法人税を納付している中小企業の方が少ないのですから税額控除も無意味です。
 社会保険料の増額ですが、現在の社会保険料の引上げ幅は、0.354%になっています。
 月額30万円の場合、毎月1062円の増税になります。企業が負担する人件費は賃上げをしなくても増加するのです。
 それ以外の減税も、ほとんどの中小企業には無縁の話です。
 ですから、減税より増税が中小企業及び社員に重くのしかかってくるのです。
 また、2013年3月末、中小企業金融円滑化法の終了も不正の動機になってきています。
 「正常先」に分類されている企業に対しても、より一層、詳しいデータを出してほしいと要請があります。
 もし、金融機関から「NO」を突きつけられますと、返済額の増額や一括返済をせまられることになるのです。
 だから、決算書を化粧しなければならなくなるのです。
 「正常先」に据え置く為には、返済額の増額を要求されている企業もあります。一種、脅迫に近いものがあります。
 いつか、機会があればお話しますが、銀行とは手ぶらで交渉してはいけないのです。必ず、ノートを持参し、交渉の現場の会話を書きとどめておくべきです。
 このように、円滑化終了により、資金繰りを心配する中小企業が多くなっているのは確かです。
 昔は金融機関も関与した不正もありました。融資を通す為に、金融機関がアドバイス?をして、試算表を改ざんしていたこともあります(現在も、0ではないと思いますが)。
 金融機関も必死です。貸付先がないのです。貸したい先は、資金に困っているわけではありませんし、余分なお金を持つと溝に捨てるというお金の原理原則を知っていますので、金利が低いからといって借りることはありません。
 借りたい会社は金融機関からすれば貸せない会社なのです。だからこそ、金融機関主導とまでは行きませんが、企業の不正を知らないふりをして融資することも今後は増えてくるかも知れません。
 それで、たとえ上手く資金調達できたとしても、返済が困難になることは目に見えていますので、一度、立ち止まって、不正をしてまで借りてはいけないことを静かに考えてください。

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