■ サイバーダイン
今年1月の全国経営セミナーにも登壇された、筑波大学の山海嘉之教授が創業したベンチャー企業・サイバーダイン社が開発している医療・福祉・介護分野で使われるロボットスーツ「HAL(Hybrid Assistive Limb)」には以前から関心を持っており、以前「社長のめしの種探検隊」でも筑波に行って説明してもらい、腕にセンサーを付けて疑似体験もさせてもらったが、先日念願かなって実際に装着してみた。
1月の全国経営セミナーの際には山海先生とも直接お話を伺っていたが、実際に装着して歩いたり、階段を上り下りしてみると、電動アシスト自転車のようにアシストが効いて補助してくれる感じがあり、これをつければ香川県の金毘羅さんの長い階段も一番上まで容易に登れるのではないかと思うほどだった。
ロボットスーツ「HAL」の原理は、人間が動く時に脳から神経を通じて筋肉へ伝わる信号を皮膚表面に貼ったセンサーで感知しロボットスーツに伝えることで、自然に歩く動作と同期してサポートするもので、1時間以上いろいろやってみたが疲れは少なかったように感じた。
現在国内、海外で使われているリハビリ用の「HAL」は、ドイツでは既に医療機器認可が下りて保健医療の対象となっているし、米食品医薬品局(FDA)にも販売承認申請中、日本でも厚生労働省の医療機器の認可を申請しているので、来年以降はこれを装着したリハビリ歩行を保健医療の範囲でもできるようになりそうだ。
最近では、介護者や作業者向けの作業支援ロボットも国際安全規格ISO13482を取得しており、腰にHALを付けるだけで、40kgの荷物を誰でも簡単に持ち上げる様子が撮影された発表時のビデオを見たが、介護支援者などにはありがたいものになりそうだ。
■Genny2.0
行きたい方向に重心を傾けると移動できる立ち乗り電動二輪車・セグウェイの技術を応用した2輪の車いす「Genny(ジェニー)2.0」にも新しい可能性を感じた。
残念ながらまだ試乗はできなかったが、砂浜やスキー場のゲレンデなどでも走行できるし、人が歩くスピードに合わせてきめ細かく速度をコントロールし、自然な止まり方もできるので魅力的だ。
今後は茨城県つくば市のロボット特区で公道行実験を行い、2020年の東京パラリンピックまでの実用を目指すとのことだが、ヨーロッパでは既に市販されて使われているので、日本での利用も早そうだ。
これからの生活が便利に、楽しくなる未来の技術がすぐそこまで来ていることを感じた。
======== DATA =========
●サイバーダイン
http://www.cyberdyne.jp/
●作業用ロボット動画(NEDO CYBERDYNE "HAL" DEMO)
●セグウェイ・ジャパン
●Genny(ジェニー)2.0動画(Paolo Badano Genny mobility sedia a rotelle in spiaggia Barcellona segway wheelchair)