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- 第11回 ZOZOスーツ
自分の体型サイズを計測し、それに合わせた衣料品をネット注文できる採寸ボディースーツ「ZOZOスーツ」(初回無料+送料600円)が送られてきたので、早速試してみた。
「ZOZOスーツ」は全体にドット(水玉)のマーカーが付いている体にピタッとする薄手の素材で、上は首まである長袖、下は足首部分も覆うような長ズボンだ。
これを着て、専用アプリ(ZOZOTOWNアプリ)を使いスマートフォンのカメラで360度撮影するだけで、体型サイズを3D計測でき、Tシャツ、ジーンズやシャツが注文できる。
届いたTシャツを着てみたが、腕などのあがきもよく、適度のゆとりがあり着心地は悪くなく、計測は成功したと感じた。
「ZOZOスーツ」は昨年11月22日に発表されて10時間で23万件の予約が殺到したものだが、当初のセンサーで体型データを計測する方式がうまく行かなかったようで、12月5日に遅延告知と謝罪メールが予約者に送られ、今年に入り4月27日に改良された新型ZOZOスーツが発表、その直後に送られてきた。
アパレル企業にとって「体型データ」は重要で、特に試着ができない通販では顧客の体型データを持つことは返品や在庫管理などの面で有利となるため、2,000円の価格が付いている「ZOZOスーツ」を送料だけで配っている(今注文すると到着は8月上旬)。
採寸システムに関しては、シリコンバレー視察で何度か訪問したオーダーシャツ専門ECサイト「オリジナルスティッチ(ORIGINAL STITCH)」も、A4用紙を自分のシャツの上に置き、写真を撮るだけでその寸法を測定できるAI採寸アプリ「メジャーボット(Measure Bot)」を提供しているが、全身サイズを2枚の写真から採寸できる「ボディグラム(Bodygram)」というAIサービスも開始すると発表した。
人々の体のサイズデータは、自社の洋服を売るだけでなく、ネット販売衣料のプラットフォームになる可能性もあり、今後新たな技術や企業が参入してくる分野となりそうだ。
■ZOZOタウン
2004年にファッション通販サイト「ZOZOタウン」を開始したスタートトゥデイ社は、2018年3月期の年間取扱高が前年比28%増の2,705億円と、国内衣料品販売ではアマゾン以上とされており、4月27日発表の2019年3月期営業利益は400億円(前期比22.4%増)、純利益280億円(同38.9%増)と、ともに連続して過去最高を更新する見通しだという。
また、6月26日の定時株主総会での承認を経て、10月に社名を「ZOZO」に変更予定で、ZOZOスーツでの採寸を持って自社ブランドのYシャツの販売も開始、今後はグローバル展開も目指すという。
「ZOZOスーツ」など採寸システムの登場により、ネット販売と実店舗の競争はますます激化してゆきそうだ。
======== DATA =========
●ZOZOスーツ
●スタートトゥデイ
●ORIGINAL STITCH