menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

人間学・古典

第十七話 「国(会社)の将に亡びんとするや」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機


※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。


“国(会社)の将に亡びんとするや、本先ず倒れて、而る後に枝葉之に従う”(春秋左氏伝)

 (木の根本が倒れると、枝葉がこれに続いて倒れる。国家においても根本となる礼が失われてくると、それは必ず国の滅亡につながる)

 その昔、企業の存亡を賭けた労資の対立があった。先鋭化した分子の戦法の一歩は欠礼にあったとも思われた。それぞれが礼を欠くことによって組織の分断を計るというものであったように思われる。組織が分断されれば社員の団結は失われ、組織としての力は失われることになる。

 私はある会社に入ったとき、一部の勢力に味方せず、会社に味方せよと呼びかけ、礼儀作法を自ら示して社員に呼びかけたことがある。

 社員が経経営者に礼を欠き、経営者が社員に礼を欠くように会社が存続した例は聞いたこともない。
“貞観政要”は唐の名君太宗の洛世を書いたものだが、このなかに、人の上に建つものは奢多に走らず、臣下の諌言を用いること、つまり、国民、臣に対する例を述べたといえるもので、次のような記述もある。

 “人民を搾取して贅沢な生活をするのは自分の身体の肉を切り割いて自分で食ってしまうようなもので、満腹したときは自分が死んでしまうだろう”

 人民は働いて人々の生命を保つ役割を果たしてくれる者、それに対す例といえるものである。貞観政要の二本の柱といえば、人民に対する礼と臣の諌言に対する感謝の礼に尽くされているように思われる。

 ※栗山英樹氏から、本コラム井原隆一氏の「人の用い方」書籍と、井原隆一「人の用い方セミナー」収録講演CD版・デジタル版を推薦いただきました!

 監督の仕事は、選手の心を動かし、勝利の高みに導くことです。人をいかに用いて、信頼感を高めるか―――
その答えを求めて、私は井原さんの「人の用い方」のCDを5年間、毎日球場までの往復2時間、車の中で聴き、本をカバンに忍ばせていました。選手は勝利のために厳しい練習をしているわけですから、私は素振りの代わりが勉強だと思っています。

第十六話 「人を責むるの心を以て己を責む」前のページ

第十八話 「老馬の智、用うべし」次のページ

関連記事

  1. 第十六話 「人を責むるの心を以て己を責む」

  2. 第三十四話 「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」

  3. 第五話 「名君と暗君」

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 経済・株式・資産

    第19回 テレビCMの利用価値を再認識させる効果「トリドール」
  2. キーワード

    第29回 令和の時代
  3. キーワード

    第28回 日本型「IR」(統合型リゾート)による「カジノミクス」が日本を元気化...
  4. 健康

    第51回 那須湯本温泉(栃木県) 素朴な共同浴場で味わう極上の「アツ湯」
  5. 人間学・古典

    第20回 利でなく義を選ぶ 文天祥の生き方
keyboard_arrow_up