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第34号 面接中の態度だけで採用を決めたらろくな人が来ない

会社を守り抜くための緊急対策

 多くの中小企業は知名度がないため、人材が必要であるにも関わらず、なかなか採用することはできません。
 求人情報誌に掲載しても何百社あるなかで自社を選んでもらうことは至難のわざなのです。
 社名ではなく、どんな事業ではなく、会社の住所で決める人も多いから困ったものです。面接用に、通勤しやすい場所や有名な場所に間借りして、求人にその住所を掲載する会社もあるほどです。
 だから、応募してくれた人はとても大切にしなければなりません。
 しかし、判断を誤りとんでもない人を採用しますと、中小企業は、会社の経営にかなり響いてしまいます。
 一人の影響がとても大きいためです。
 採用において、やはり面接はとても大切な場面です。
 大切な面接を採用に十分に活かしているかと言えば、必ずしもそうではない現実があります。
 面接で大切なことがあります。
 それは、面接会場以上に、面接を行う前と行った後です。
 例えば、最寄りの駅から会社までの道中の態度を観察しますと、人となりがよくわかるものです。
 顔は履歴書で分かっています(一度、写真と実物があまりにも異なったため、わからなかったことがあります)から、面接を受ける人は容易に見つけることができます。
 そして、駅から会社まで歩いてくる様子を観察するのです。
 ポイントは背筋がピンと伸びているか。ガムなどを食べながら歩いている人は、この段階でNOになります。
 だらだら歩く人。洋服の着こなしがだらしない人もNOです。
 電話をしながら大きな声で話し、中には、以前に面接をした会社の悪口を言っている人もいます。みんなNOです。
 次に、会社に入る前。
 一礼をして入る人は、何か期待を持てます。会ってみたいと思います。
 野球場やサッカー場に入る前に、一礼をして入る選手も好感持てます。
 最近では、電車内で、車掌は一礼して車内に入り、一礼して車内を後にしますが、いやいやしている人は、その態度ですぐにばれてしまいます。そのような人は逆にしない方がまだましです。
 面接会場に入る前、つまり待合室での態度を観察したいものです。ですから、あえて待合室を設置します。もちろん面接時間を意図的に遅らせて待たすことはご法度ですから、ほんの数分の待つ時間の態度を観察することになります。
 結構、配慮は必要です。
 なぜなら、逆襲があるからです。ツイッターなどで、実況中継している人もいますから。もちろんこんな人はNOです。
 待合室で足を組んで待っていたり、貧乏ゆすりをしている人もここでNOになります。
 面接に関しては、ほとんどの人が面接マニュアルを勉強しているようです。逆にマニュアルに従わない面接を行いますと、先ほどの逆襲が始まるのです。
 自分が悪いにも関わらず、自分の想定以外の面接が行われますと、それにうまく対応できなかった責任を「面接官がいまいち」とけなします。困ったことに、それに賛同する返信もありますから手に負えません。
 しかし、そんな人を採用した方が、後で大変なことになりますから、もちろんきっぱりと断ります。
 問題は断る対応です。
 きちん素早く断ることです。少しでも遅くなれば大変ですから、その日のうちに「今回は縁がなかった」等の回答を早くすべきです。
 面接が終わった後の態度も観察します。緊張が解けてその人の本当の態度が出ることが多いからです。
 はーっ、やれやれ。と社内で溜め息をつく人もNOです。
 ドアを閉めてから、ドアの向こうにいる面接官に向かって、お辞儀をした人もいます。もちろんそんなことは面接官にはわかりません。そんな気持ちがとてもうれしくなります。
 会社を出た後、玄関に向かってお辞儀をする人もいました。このような人には、また会ってみたいと自然に思います。
 お辞儀はとても大事な行為なのです。
 このようなことは、面接会場は「世間」でそれ以外は「社会」と考えている人を採用しないためです。「世間」の幅が狭い人を採用すると後々問題が起きてしまうからです。
 すべての事業は、サービス業のはずです。であれば、「世間」の幅を広げてあげなければいけません。
 すべてがお客様だという教育を徹底している会社の社員は、自然と「世間」の幅は広くなり、必ず誰かが見ていると感じます。
 もちろんそれだけ世間的プレッシャーが強くなってきます。中にはプレッシャーに押しつぶされる人も出てくるかもしれません。だからこそ、社内の環境を整備しておく必要があるのです。
 ちなみに、面接を軽視している人は社長になれません。面接に出ない社長の中小企業には就職しないほうがいいのです。
 中小企業の場合、最初の面接から社長が対応した方がいいのです。社長の夢や使命、なぜ、今の事業を行ったのかなど、社長にしかわからない話をしてあげた方がいいのです。
 それに共感しない人を採用しないためでもありますが、それ以上に、社長自身が忘れかけていた、事業の使命、価値、夢などを思い出す大きなチャンスになります。
 若者は、単純に面接というきまりきった対応より、社長の話を聞く方が、より多くの勉強になるものです。

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