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マネジメント

第34回 『原理原則で臨み、各論で対応』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

「リーダー学」や「リーダーシップ論」について語るとき、必ずといっていいほど、
“あなたは信長型か、秀吉型か、それとも家康型か…”といった 論が展開されるが、これほどおかしなことはない。

実際のビジネスシーンにおいて、“私は秀吉型だから、意のままに動かすことができるように部下をビシビシ鍛える”とか、
“家康をモデルに、部下が育つまでじっくり構えよう”と、ひとつの決まった型をもって部下を動かそうとしてもなかなか
うまくいくものではない。

まして“自分は信長型だったが、これからは家康型でいこう”などといって、たやすく変身できるものではない。
このことは、何も信長や秀吉、家康に限ったことではなく、チャーチルやリンカーン、フォードやカーネギーを
理想像にしても同じである。


歴史上の偉人を理想の指導者像として真似しようとしても、実際の場面ではうまくいかないのはなぜか?
それは、自分の個性や性格という、一方的な側面ばかりに目が奪われているからである。

たとえば、中間管理職として率いるべき相手は、部下であり、同僚である。
ときには、上司をも動かさねばならない場面もあるだろう。
その部下や同僚、あるいは上司という受け手の存在、ことに正確を無視して、
信長だ、秀吉だ、家康だ…といっても、一方通行にならざるをえない。

加えて、高度成長時代と現在のような経済状況においては、必要とされる指導者のタイプが異なることはいうまでもない。

つまり、部下によって上司のあり方は変わるし、環境によっても変化するということである。
まして、部課長に求められる指導力と取締役に求められるそれとでは違うし、
トップともなれば、さらにその違いは大きくなる。ひと口に部課長といっても、部長と課長では求められるものは異なる。


偉人の真似をしたリーダー、ある一定の型にはまったリーダーが、良いリーダーになれないのは、ここを忘れているからだ。
各論を抜きにして総論だけを学ぼうとしても、部下を率いることはできないのだ。

もちろん、リーダーシップの発揮の仕方についても、原理・原則はある。定石というものも存在する。
その基本にあなたの個性をプラスし、かつ、部下のタイプや環境変化に対応する柔軟性をもって
「自分なりの指導力の発揮法」を身につけてこそ、人を動かすことができるわけである。


リーダー論であれ、リーダーシップの発揮方法であれ、ビジネスの世界では普遍性を伴った「総論」や「型」の効用には
限界がある。大切なのは、あなたにとっての「各論」であり、これは、試行錯誤を重ねながら自分で創造していくことだ。



新  将命     

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