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「先端」を制する者、成功を制す その3「袖口」

最高の自分を表現する 成功イメージ戦略

「先端を見れば、その人の価値観とクオリティが分かる」。だからこそ、先端がいい状態になっている人というのはそれだけクオリティチェックとメンテナンスが出来ている。当然のごとく成功を制することができる。正に当然の結果と言えるでしょう。


今回はその先端部分の中でも、良く動き相手の視界に入ることで、その方のイメージを決定する重要な部分の一つとなる「袖口」。ここは、分かっているつもりでも比較的落とし穴となってしまっているケースを良く目にします。何故なら、自分ではわざわざめくって確認しなければ、見る機会が少なく、しかし反対に向かい合う相手には当たり前のように良く見えているという、死角的部分だからなのです。


袖口といえば、以前、某大手媒体からの取材をお受けした際、非常に残念に思ったことを思い出します。待ち合わせをした場所に現れたのは30代と思われる男性記者。シャキッとした印象とは遠いその方と挨拶をし、名刺交換をした時に「?!」と思いました。名刺を頂きながら、ふと視界に入ったシャツの袖口がとても汚れている。それは、その日に何らかのことがあってついてしまったのとは明らかに違う、時間の経過した汚れ。きっとクリーニングはしているのでしょうが、すでに落ちなくなってしまっている汚れ。それに加えて袖口の擦り切れ。その時の私の驚きがかなりなものであったことは言うまでもありません。何故なら、その日の取材テーマが「出来るビジネスパーソンとして、夏場でも涼やかに清潔なイメージを保つ」というようなテーマであったから。取材中、当然ながら手元や袖口のお話にも触れなくてはならず、回答するのが非常に苦しかったことを今でも思い出します。そして、そのやり取りの中で、ご本人はご自分の袖口のことなどまるで気にもしていなかったであろうことは明白だったことから、最初に抱いた「何だかシャキッとしていない人」という印象の本質的な理由が、具体的に証明されたのは言うまでもありませんでした。何とも皮肉なインタビューでした。


常々思いながらも、その時に再認識したことは、人は「手元の汚れ」即ち「手その物の汚れ」ひいては「その人自身の清潔感の欠如」と連想すること、そして、その人と近い空間にいることを苦痛に感じるかということでした。また、擦り切れたシャツのそで口は、非常に貧相に見えるということ。汚れ、擦り切れの兆候が少しでも見えた時点で、処分の対象になります。例え高価な物であってもそれは同様。何故なら、「装いは仕事のうち」、それを身に付けている人自身の意識がその程度であると思われ、仕事のクオリティが疑われ、素晴らしい部分さえも全て打ち消される位のデメリットがあると言っても過言ではないからなのです。


シャツとは本来下着であり、最も消耗率の高い衣類の一つです。ジャケットの袖口から1.5cmほど出る寸法が男性の衣服のルールになっているのは、ジャケットが直に肌に触れるのを避ける下着の役割を果たす為でしょう。このように、汚れることが前提であるシャツ、そしてその汚れが最も分かりやすく現れ、人目につきやすいのが手元。これを清潔に保つマネジメントができている人というのは、アピアランスにおける他の部分にも当然の如く気が配られており、この配慮は、その方の仕事の有り様にも通じます。


下着であるシャツの最も汚れやすいカフ部分だからこそ、常に清潔に保ち、アイロンでピシッと仕上がったそこに、手を動かした時チラリと見えるシンプルでセンスの良いカフリンクスがさりげなくあしらわれていたりすると、その方の価値観と仕事観の質の良さを垣間見、強烈ではないけれど、確実で信頼のおける方であるという印象を受けるのが人間の心理なのです。「お手洗いが綺麗な企業は良い企業」というのと、「袖口を清潔に保つ/袖口の印象マネジメント」は通じるアイディアなのではないでしょうか。


自分ではなかなか見えていない部分、でも人にはとてもよく見えている部分は沢山あります。そして、それが知らず知らずの間にその人のイメージを決定させてしまっていることも非常に多々あります。ちょっとした意識と注意で不本意なイメージを抱かれることから回避する為には、自分が人と会ったときに、つい目に入ったり、気になったのと同じ部分を、自分のアピアランスやイメージに置き換えた確認を実践してみることです。具体的な事実として、はっと気づくことが沢山あるのではないでしょうか。ほんの小さな部分や当たり前のメンテナンスの積み重ねこそが、結果となり、高いクオリティを保つことで、成功をも制する。「最適なイメージは一日にして成らず」です。自分ではなかなか見えない恐れのある部分のアピアランスのチェックを、出がけや人に会う前、鏡に向かって指さし確認することを習慣にしてみるのも、確実に結果を出せる方法です。一つ習慣になるにつれ、一つ成功が近づいてくるはずです。

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