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マーケティング

第1回 中小企業を発展させる「MIP」とは

ロングセラーの玉手箱

 私は企業に、大ヒットして、かつ長く売れ続ける商品・サービスの開発を指導しています。
 
 私がこれまで手がけた商品や詳しい経歴などは、どうぞ「コラムニスト紹介」をご参照いただくとして、このコラムでは、とくに中小企業が30年以上売れて儲かる商品・サービスをつくる要諦を、様々な事例とともに述べていきます。
 
 第1回は、これからシリーズでお話しする「MIP経営」の全体像をまとめます。30年以上売れ続くロングセラーの創り方がわかります。これから、順次個別にストーリーが展開されます。お楽しみにしていてください。
 
     *
 
 私は数年前から、長年没頭してきた大企業支援から中小企業支援に舵を切りました。なぜ中小企業に舵を切ったのかを、まずお話しましょう。
 
 第一の理由は、中小企業へ支援すると「強い売りモノ」創りの効果が早く出て、国にも世界の経済によほど役立つからです。事実、早いです。中小企業のコンサルタントは、基本的に経営者と直接やり取りすることが多いため、経営者に私の「MIP経営」を説明して、そのメリットにお気づきになると、あっという間に実績が上がるのです。
 
 もう一つの理由は、「創業」支援よりも「現業」の中小企業の支援の方が、効果的だからです。つまり、現業の中小企業の経営者は、経営の基本となる財務や人事などはすでに身につけられておられ、唯一欠けているのが「強い売りのモノ」創りのノウハウのみだからです。
 
 それを支援すれば、すぐ効果が上がるのです。このことは国にも再三伝えているのですが、なぜか創業支援にこだわっているようです。
 
 その想いや決意を示す形になったのが、2016年1月に日本経営合理化協会より出版した『30年売れて儲かるロングセラーを意図してつくる仕組み』です。本書は、大企業の商品開発者ではなく、とくに中小企業の経営者向けに、かつメーカーのみならずあらゆる業種業態の事業において、自社の新たな収益源となる「長く売れて儲かる売りモノ」づくりの具体的ノウハウを説きました。
 
 話をMIP経営の説明に戻します。企業全体の99.7%を中小企業が占めており、その7割が赤字です。その中から、順送りに倒産が発生しています。それは約20社に1社です。その要因としてほとんど知られていない根本的な要因があります。それが「強い売りモノ」の欠如です。
 
 では、「強い売りモノ」とは何でしょう。それは、多くのお客様が長い間にわたってお金を払い続けてくれる商品やサービスです。
 
 それはどんな商品やサービスなのでしょうか。それが「MIP(新市場創造型商品)」という、多くの中小企業の経営者が今まで耳にしたことのない「強い売りモノ」なのです。
 
 下の図は、MIP経営図を表わしたものです。
 
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 図の通り、MIP経営の目的は自社を「長期安定的に繁栄」させることです。さらに、その上位には、「社会に喜ばれる企業を永く続ける」という目的があります。そして、その手段は当然、「新事業の開発」と「既存事業の強化」です。図表では、それぞれを「市場の創造」と「市場の拡大/先導」と表しました。
 
 では、それらを成功させ続けるにはどうすれば良いか、続きは次号にて説明したいと思います。
 
《梅澤氏 直筆のことば》
 
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