最近、自社サイトで買物をすると、 「アマゾンペイ」や「楽天ペイ」 「Yahoo!ウォレット」といった巨大モール系のID決済サービスが導入されていることが多く、その利便性の高さを実感している。初回購入時には必須だった住所情報やカード情報などの入力作業を省略でき、セキュリティーの不安なく、簡単に決済手続きを完了できるからだ。ネットユーザーのほとんどは、少なくともいずれか一つはアカウントを持っているだろう。初めて訪れた自社サイトで買物をする際も、安心・簡単に決済できることは、ショップ側、ユーザー側双方にとって大きなメリットがある。 ID決済は新規顧客獲得や購入率アップ、カゴ落ち防止効果があり、売上拡大に直結する最も効果的な施策の一つと言える。
これらのID決済サービスには、それぞれ特徴がある。 「アマゾンペイ」導入のメリットは、購入者情報をアマゾンから取得でき、通常通り、自社サイトの顧客情報として活用できる点だろう。また「楽天ペイ」は、何といっても楽天ポイントがインセンティブとなる。自社サイトにおいても、ポイント付与をフックにした販促企画などを行える点は、ショップ側にとっても大きな魅力だ。
一方、 「Yahoo!ウォレット」は、バーコードを使ってスマホから決済できる機能を追加し、この6月から実店舗での利用対応をスタートさせた。同社の電子マネー「Yahoo!マネー」やクレジットカード、預金口座を登録すると公共料金の支払いも可能になるなど、リアル決済領域の強化にも取り組んでおり、今後の伸びが期待されている。
MakeShopやFutureShop、shopserveなどの主要カートASPでは、これらのID決済を装備している。どのID決済サービスを導入するかは、自社サイトの顧客層や主力商品との相性次第だが、アパレルや雑貨は「楽天ペイ」、家電や消耗品などは「アマゾンペイ」との親和性が高いと言われている。いずれにしても、巨大モール系のID決済は、今後、基本的な決済手段の一つとなっていくはずだ。