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第121回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方42 教えながら学ぶ 実践編

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

 前回「教えながら学ぶ」についてお話しました。今回は、前回述べたことを前提として具体的にお話します。
 
 後輩に教えるために、前回「教えられる自分を整える」必要があると述べました。この時点で、有難いことに実はすでに自分が学び直しています。教える前に心してほしいのは、後輩より半歩前の立ち位置です。片足を意識して半歩だけ前です。もう一方の足は後輩と同じ位置に置きます。これは私がインストラクターとしての経験の中で、受講生から学んだことです。心の窓を開いてもらい易い立ち位置です。片足は後輩と同じ位置にというのは、人として教える側も学ぶ側も同じだからです。
 
 実際に教えるときは、後輩への「関心」と「共感」が大きなポイントと考えます。「相手への関心」を常に持っていると、朝の挨拶一つをとっても、相手の変化に気づきます。今日は昨日より挨拶の声が出ている、昨日は足音が軽やかだったけれど今日はなんとなく重いなど、相手の小さな変化に自然と気づきます。
そのような変化をコミュニケ―ションの入り口にしてスタートをすると、後輩は聞き取る心の窓を広げてくれます。
 
 「共感」ついては、自分もかつては後輩と全く同じ立場にあったことを忘れないことです。自分では、やる気があるのに思ったようにできず、イライラしたり頭を垂れたりした時期と、後輩の今の姿を重ねてください。すると、教える時に目線高くならず「思っているより難しいわよね」のような一言目が最初に出てきます。先輩である現在の立場からだと「教えるからちゃんと聞いてね」のような言葉を無意識に使ってしまうかも知れません。些細なところで指導を聞いてもらえるか、感情的に反感を持たせてしまうかが分かれます。
 
 後輩が聞く耳を持ったところで具体的な指導に入ります。
 例えば「良い電話の第一声」を指導するとき最初に説明するのは、何故そうする必要があるのか、その理由です。電話をかけてくる人は、すでに会社と関係がある人でなんらかの用事がある、あるいは初めて何らかの目的を持ってかけてくるかのいずれかです。その電話を受けるとき、会社にどんなに優秀な人財がいようと、電話を受けた人の印象が会社の印象なのです。その意味でも第一声はとても大切と説明します。良い電話応対を聞くと、お客様はその電話の間中気分が良いでしょうし、受話器を置いたあとも何となく一日気分が良いかも知れません。良い電話応対をしようというモチベーションをしっかり持てるような説明をします。ただずっと一方的に話すのではなく、ここで「ではどんな第一声が良い印象を与えられると思う?」と後輩に考えてもらいます。
 「説明をする」、「考えてもらう」を、良い配分で繰り返してください。例えば後輩が「笑顔ですか」という言葉を出したら、「答えは笑顔だけではないけれど、すごくいい答え。じゃぁ、笑顔になるにはどうしたらいいと思う」のように、後輩が自ら使った言葉を絡めてまた説明をしていきます。一方的に理路整然とした説明より、後輩は中身に引き込まれます。「笑顔のポイントは白い歯を見せること。笑ってみて、、、もっと口を横に開いて。」とさらに実技指導をします。そして後輩の感想を聞きます。後輩が「笑顔が難しい」と言ったときは、「好きな食べ物や楽しいと感じるのは、どんなとき?」などと聞いて気持ちをほぐすようにしてください。
 
十人十色という言葉があるように、後輩もいろいろです。相手によって教え方はかわります。その判断を先輩が正しく行うことで教える効果が変わります。さらに細やかな説明が必要になるかも知れません。根気よく教えましょう。後輩の成長が見えた時の喜びはとても大きいです。後輩の教えてもらう時の態度など、逆に学ぶ点も気づきとしてもらえます。
勿論、会社によって説明内容は異なりますが、説明のコツは同じですのでどうぞ参考になさってください。
 
 
■松尾友子氏
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