【2】約束の時間に絶対に遅れない。3分以上早いのもダメ
会社を出る前にお申し出者に、「お約束させていただいたとおりのお時間に伺って大丈夫ですか?」
と、電話を入れることを忘れないようにしましょう。
あなたは今から表面上は「おわびに行く」ように見えますが、本質的には「交渉に行く」
のですから、万一あなたが、約束の時間に遅れたとしたなら、お申し出者から比べてあなたの
スタートラインは数歩、後退したことを認識してください。
同じスタートラインから「交渉」が始められないということにならないように、絶対に遅刻はご法度。
かといって、早すぎるのもいけません。通常、5分前精神が好ましいという考え方もありますが、
クレーム対応での訪問の場合は5分前も早すぎます。
私の経験上、3分前がベストです。3分以上前にお申し出者宅のインターホンを押すことは、
お申し出者の腹立ちの程度によっては「早すぎる!」という苛立ちを高めます。
そんな瞬間的な思いが、へそを曲げさせ「まだ、約束の時間ではない!君は時計を読めないのか!」
なんていう機会を作ってしまうことになるのです。
【3】お家の前に車をとめない。タクシーで横付けは絶対ダメ
日頃、会社の車を使って業務に従事している人はぜひ注意してくださいね。
お申し出者のお家の前や近くに、あなたの会社の車が止まるのはたいへん嫌がる方が多いのをご存知でしたか?
「近所の人に私が企業を呼びつけた傲慢な人間みたいに思われる!」という理由の方もいますし、
「あなたの会社のような問題のある会社と関わっているのかと近所に思われると恥ずかしい」
という方もいますし、「前の道に車が止まっていたら、近所の方の通行にじゃまになります。
そんな気配りもできないの!」という理由の場合もあります。
ひと辻隔てたあたりの何時間駐車していても心配にならない駐車場に必ずとめること。
軽い気持ちで路上駐車をすると、お申し出者でのお家で、会話が予想以上に長くなった場合、
車の運命が不安になってきて、「交渉」に集中できなくなります。
そうなると、ご想像のとおり2次クレームに進行することもよくあることです。
また、お申し出者のお家が最寄りの駅からかなり距離があるとか、所在地がよくわからないので
ウロウロとお家を探していては、約束の時間に到着することが心もとなくなり、近隣の地理に詳しい
タクシーの運転手さんに頼っちゃおうということで、タクシーを使うこともあるかと思いますが、
この場合も当然、お家の前で降車するのはご法度。
「さすが大企業さん!いいご身分やな」なんて嫌味を言わせないために少し離れた交差点など、
お申し出者から目につかない場所で降車し、そこから徒歩でお伺いすることをお勧めします。
中村友妃子
【出所・参考文献】
『クレーム対応のプロが教える“最善の話し方”』(青春出版社刊)