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第12回 学生パートの就職支援でパート求人難を乗り切る「APカンパニー」

深読み企業分析

地鶏農家と契約し、地鶏をリーゾナブルな価格で提供する居酒屋の塚田農場を運営するAPカンパニー。外食各社が求人難の中、独自のユニークなパート支援によって、優秀な学生パートの確保に成功している。

一般的に大学生のパートは、3年生、4年生になると、パートを止めて就職活動に注力するようになる。会社側とすると、せっかく業務に慣れてきた高学年の学生が止めてしまうのは大きな痛手である。そこで、同社ではその3年生、4年生に就職支援活動を行うことによって、パートのつなぎとめに成功している。

会社側では、パートがない日中に本社に3年生、4年生のパートを集め、就職セミナーを開催している。就職活動を行うに当たって、そこで必要なスキルを身につけさせようというものである。

就職動機の明確化や個性化、面談時の応対方法、挨拶、などなど就職活動にとって不可欠なノウハウを指導する。

また、模擬面接では、まさに専門家である同社の採用担当者が様々なアドバイスを行うのであるから、これほど心強いものはない。

また、それにとどまらず、就職先との接触機会を設ける試みも行っている。

これは、店舗の営業時間に複数企業の採用者をおそらく顧客として招き、その10名ほどのテーブルを一人の学生が担当して、その応対ぶりをチェックしてもらうというもの。実際の実務の現場で生の姿を見せることによって、気に入れば採用候補に入れてもらうということである。

考えてみると、採用担当者が通常見るのは学生のよそいきの姿であり、しかも短時間である。しかし、2時間ほどの間、実務を行う姿を見ることによって、より生に近い学生の姿が見られることになるのであるから、採用担当者にとっても価値は高いものと思われる。

このような施策によって、同社ではパートの引き留めに成功している。また、これは接遇教育もセットになっており、まさに一石三鳥のアイディアと言えよう。

《有賀の眼》

今や介護、物流、外食などの現場では人手不足が深刻で、ブラックのうわさがある外食店では、店舗閉鎖や店舗休業に追い込まれている企業もある。この20年間の不況下において、正社員、パート・アルバイトなどの余剰に胡坐をかいてきた企業は、ビジネスモデルの根幹まで見直さなければならないところまで来ている。

そんな中、ユニークな手法でパートの定着化に成功している同社は、ビジネスの競争条件においても同業他社との差別化に優位性を発揮できよう。

今後、人手不足に悩む企業はますます増えると思われる。この同社のユニークな取り組みは一つの有効な例としてかなり参考になるのではなかろうか。考えれば、いくらでもアイディアは浮かぶものと感心するところである。

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