「トイレの蓋は閉まっていますか?」
「積小為大」
「大事をなさんとを欲せば、小なることを怠らず勤むべし。
小積もりて大となればなり。
およそ小人の常、大いなることを欲して、小さなることを怠り、
出来がたいことを憂いて、出来やすきことを勤めず、
それゆえついには、大なることなすあたわず。
それは大は小を積んで、大となることを知らぬゆえなり」
(二宮尊徳翁の言葉)
大谷翔平、菊池雄星を育てた花巻東高校・佐々木洋監督が語った「何をやってもツイてる人、空回りする人の4つの差」の中に、気になる一節があった。
『そして最後はやっぱり《感謝と謙虚》さですね。
とにかく敵をつくらず、味方をつくることが運を呼び込んでくると思います。
例えば、うちのチームは宿泊したホテルから帰る時はすごくきれいに掃除させるんです。甲子園の時もホテルの方が「花巻東の使った後はベッドメイクが要らないくらいきれいにしてくれた」と喜ばれまして、ホテルの人たちが球場までわざわざ応援に来てくれたりしたんです。
例えば菊池雄星選手はゴミが落ちているのを見ると「神様が自分を試している」と思うと話していました。そうやって、いつも神様が自分を見ていると思っているんです。
それから私が前にうちの選手たちに「成功している会社の社長さんの家を探っていったら1つだけ共通項があって、どの家もトイレの蓋が閉まっていたらしい」と話したら、どこに行っても蓋を閉めて回っています(笑)。』
「トイレの蓋が閉まっている」は、「始末」ということだ。
立ったらイスを中に入れる、脱いだら靴を揃える、これも「始末」だ。
「始末」が出来てないことを、「始末が悪い」という。
「始末が悪い人」で、成功者はいない。
仮に運よく成金になっても、続かない。
「始末」の良い作法を行うと、心が「始末の良い気構え」になる。
気構えがいいから作法が良くなる。
心と作法は、相互作用を起こす。
ご家庭、職場を問わず、トイレの蓋は閉まっていますか?
イスは中に入っていますか?
靴は入船出船で揃っていますか?
「積小為大」、心したいものだ。
ホノルルより愛を込めて。臥龍