menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第128回 『給料が安い、と嘆く人へ』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 
「こんなに働いているのに、ウチの会社、給料安いよなぁ」
居酒屋に行けば、あっちのセキでもこっちの卓でも、こんなオダをあげている。
 
だが、最近の若いビジネスマンのオダは陰々滅々したところがなく、
どことなく軽やかで、明るいのが救いだ。
 
もっとも、閉塞感にさいなまれている人は、こんなふうに仲間と飲んだり、
しゃべったりすることもできなくなっているのかもしれないが…。
 
そして、私が講演などの機会に見聞きする限り、組織や社会に対して、
どうしようもない閉塞感にとらわれてしまっている若いビジネスマンはかなり多い。
 
 
経営者側の本音をいえば、
入社から数年間は給料を払ってトレーニングをしているという感覚が強い。
 
30代に入る頃になれば、もちろん、かなり役立つようになってきてはいるが、
まだ、大きな責任を預けるにはいたらない。そうそう高い給料は払えない。
 
仕事のスキルを磨くのは、一にも二にも経験だ。
 
平凡で、ほとんどビジネスなど何も知らない人間が、
社会に出て10年、15年、さまざまに経験を重ねることによって、
しだいにその分野のエキスパートになり、ついにはリーダーになっていくのだ。
 
その間は、給料よりもよりたくさんの、できれば、少々困難な経験を積む機会を、
積極的に求めた方がよい。
 
 
使い走りのボーイから出発し、8年間夜間に通って学位をとり、
それから税理士として働き始め、ついには、超優良企業・ITTの社長に上り詰め
14期半連続増益という、米国企業史空前の記録を打ち立てたハロルド.ジェニーン氏は、
 
「人は自らの努力による経験によってのみ、何かを勝ち獲ることができる」
と述べている。
 
ジェニーン氏によれば、
 ≪経験とは、能力の成長と蓄積をもたらすプロセス≫ なのである。
 
 
30代はとくに経験を蓄積し、自らの将来への基盤をしっかりつくる時期だと
考えるべきなのだ。
だから、できるだけ積極的に経験を増やした方がいい。
 
たとえ、失敗したとしても、失敗経験から、ひょっとしたら
成功した場合以上の経験を得ることができるかもしれない。
 
こうして意義ある経験を積んでいけば、金銭的な報酬は必ず後からついてくる。
 
 
1980年代、病める巨人となっていたGEを、
それまでの電機メーカーから、金融などへのシフトにより、
奇跡の改革と再生を実現してみせたG.ウェルチ氏は、
どんなに経営が厳しいときでも、年間10億ドルを社員教育に投じていた。
この投資が後の再生への起爆力になったともいえる。
 
「勝ち組」と「負け組」の差は、「学ぶ心」の有無にある。
 

第127回 『メンターとの付き合い方』前のページ

第129回 『頼る』次のページ

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第52回 『象を食べる方法』

  2. 第153回 『時間を二つに分ける』

  3. 第100回 『出世と成功』

最新の経営コラム

  1. 第六十六話 町工場の製造不況を打破する成功事例~行動管理に基づく営業戦略の秘訣

  2. 第305回 ユダヤ寓話「ミルクに落ちた三匹のカエル」に学ぶ

  3. 臥龍の業績アップ通信 11月28日号

ランキング

まだデータがありません。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 健康

    第15号 生活習慣、生き方、そのオーラ
  2. 税務・会計

    第25回 危機対応費用は何もかもすべて、特別損失にしなさい
  3. 経済・株式・資産

    第83回「電子書籍卸でありながらやがては日本の電子コンテンツ市場に広く影響を及ぼ...
  4. 愛読者通信

    「環境が人をつくる」今村暁氏 (日本そうじ協会 理事長)
  5. マネジメント

    永続企業の知恵(16) 生き残り戦略(三大財閥系企業)
keyboard_arrow_up