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社員教育・営業

第116回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方37 生産性を上げるコミュニケーション

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

「仕事のすすめ方
◆仕事を円滑にすすめる「コミュニケーションのスキル」◆

 

 前回、「言葉遣い」についてお話しました。今回は「生産性を上げるコミュニケーション」についてお話します。
 皆さんが目標のゴールを目指して、これからチームで仕事をすると仮定して下さい。唐突な言い方ですが、富士山頂を目指す登山口が一ヶ所だけではないのと同じように、チームを構成する人の選び方や仕事ぶりは多様であってよいと考えます。ただそのとき構成する人個人についての大切なポイントは、コミュニケーション能力がある人かどうかです。仲間に伝える力のある人がチームの中にどれだけいるか、それは成果に大いに関係します。勿論、言われたことを正しく理解して確実にその任務を果たす力のある仲間は必要です。しかし生産性を上げることに繋げるためには、まわりを巻き込んで動けるコミュニケーション能力のある人材が欠かせません。
 
 その意味から自分のコミュニケーション能力は日々磨く必要があります。私は研修で全国のいろいろな会社に参ります。研修を始めて少しすると、この方はご自分がお持ちの能力の表現が苦手なタイプと思うことがしばしばあります。これは大変もったいないです。中身に素晴らしいものを持っていても、言葉として発しない限り、相手には理解してもらえません。自分の思いや考えの例えば「A」をあなたははっきり相手に「A」と伝えられますか?このとき、
 
・姿勢はまっすぐ伸ばす。キチンとした印象を一目で伝えられます。

・口の開閉は口輪筋をしっかり動かす。口の開閉が甘くなると、何を言っているのかわかりにくくなります。

・相手の目を見て笑顔で話しかける。相手の心に言葉を届けることができます。自分では笑顔のつもりでも相手が笑顔と感じられなければ、笑顔ではありません。笑顔にはする側とされる側にギャップがあります。自分でフルスマイルと思うくらいで、相手には普通の笑顔と認識されると考えてよいでしょう。

・声量は意識がないと、もともとの声量より小さくなる傾向があります。自分の話し声の声量を知っておくこと。自分では普通の大きさの声と思っても相手が小さな声と思ってしまうと、今言っていることに自信がないのかなと勘違いされてしまいます。私は研修では、空間と人数に比例した声量でと説明しています。頭の中で考えていることに集中すると、声量は小さくなりがちです。

・相手が聞きやすいスピードで話す。緊張すると気づかないうちに早口になるので気をつけましょう。口の周りの口輪筋を大きめに動かしているとややスピードを落とせます。

・一本調子で話さない。温かみがなく、そっけなく感じさせてしまいます。目の前の相手を、仮に恋人くらいの感じで話すと抑揚を入れやすいです。

・正しい言葉遣いをする。前回の「言葉遣い」でもふれましたが、「~になります」を
頻繁に使っていませんか。私事で恐縮ですが、先日スーパーで店員の方に「○○はどこにありますか」と聞きました。若い男性の、「はい。〇〇は奥の右側の方になります」の答えに私は心の中で落胆してしまいました。

・句点で「間」をあける。これは相手に文を理解してもらうために必要な時間をあけるという意味です。
 
・説明をするときは、結論を先に言う。経過は後から言います。さらに具体的に「3点申し上げます」などと具体的な数値をだすと、
しっかり受け止めてもらえます。          

以上のようなことを全部込めて話すと、相手に「A」の内容を伝えるとき、理解してもらう確率が高くなります。相手に伝えて理解されたときにコミュニケーションが成り立ちます。
 

 コミュニケーション能力のある個人の集まりのチームであれば、そのコミュニケーション能力があるがゆえに互いの立場を考えられ、同じ立ち位置で仲間への思いやりや気遣いを持って仕事に立ち向かえます。ここにはチーム間に安心や信頼の土台が存在します。そのようなチームであれば、結果として無駄な労力を使わず、チームの個々が自由に活躍することができます。コミュニケーションによって、お互いの潜在能力をも引き出せる良い状態の化学変化が起きます。従って生産性は自然に上がり、しかも楽しく仕事を進めることもできます。
 
 
■松尾友子氏
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