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第188回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方111『今年の新入社員の特徴と教え方』

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

前回、「自分を育てるーお礼の言葉のバリエーションを増やす・話しを広げる質問の仕方、自分の強みと弱みを知る」についてお話をしました。今回は「今年の新人社員の特徴と教え方」についてお話します。

今年の新入社員の特徴
 私が携わった新人研修の中での特徴として二点あります。
1.研修参加者の一覧表にある年齢(18)の記載が昨年より増えているように感じました。 今までは参加者人数の一割位がどちらの会場にもいらっしゃいましたが、今年はどちらの会場も昨年より多めでした。複数の要因があるでしょうが、理由の一つにコロナ禍後の巷の経済状況も関係しているかも知れません。

2.コミュニケーション能力がコロナ禍からダウンしてきたのは確かですが、その状況がコロナ禍以前にまだ戻っていないのが現状です。以上の二点を踏まえて私が研修の中で主に意識して使った言葉をお伝えいたします。

 教え方
~企業として教えるポイント~
① 学生と社会人の違いを明確にさせる
この項目は、社会人の前提条件としてスタートする大切な項目です。両者の一番の違いは、提供した労働に対する「対価」としてお給料を受け取ることです。

「対価という言葉の意味は新人であってもその言葉に甘えず、お給料に見合った貢献のための言動を提供してはじめて手に入れることができると思いませんか、いかがでしょうか?」と新人さん一人一人に応えを求めてください。この時あなたは、新人さんが発言し易いように優しいアイコンタクトを注ぎ続けます。(これらの仕草は、『あなたに関心を持っています』を効果的に伝えることができます。誰しもが持つ欲求の一つに「承認欲求」がありますが、それを相手に届ける行動と思ってください)そして相手の発する「はい」や「いいえ」を聞いたらそれで終わらせないことです。相手の発言を受け止めて、「そうですか。では、○○さんの『はい』(あるいは『いいえ』)の理由を教えていただけますか」と、更に続けて発言を求めます。

 このやり取りを進めることが『考える」トレーニングになり、かつコミュニケーションにも繋がります。長年のインストラクターの体験から言えることは、発言の数と当事者意識の芽生えをグラフにするなら、まさに正比例になります。

また、
「△△さん、いかがですか?」にもし無言が5,6秒続いたときは、
「△△さん、△△さんの真面目さは伝わりましたが(あえて褒める言葉から入ると、相手の聞こうとする心が開きます)会社はチームで仕事をするのですから、『効率』はとても大事です。△△さんが考える間の5,6秒間、仕事は滞ってしまいますね。このようなときは、『申し訳ございませんが分かりません』を早めに表明していただけますか」とアドバイスします。このような注意喚起の言葉を伝えたら、△△さんの気持ちが研修からそれないように研修の最後まで目配りし続けることを意識します。

 一方「対価」についての説明の仕方を、帰宅後フィードバックします(指導した側の責任として、いつもその日のうちにしています)。もしあのままの表現だけでは、【対価と等しい働きさえすればよいのですね】と捉えた参加者がいらっしゃるかも知れません。次回は、対価をきちんと成し遂げると、おまけとして充足感や満足感がもたらされ、次の仕事も頑張ろうというモチベーションが自然と湧き上がりますとここまで説明しようが私の次回の宿題です。

 また、色々な会社の企業理念は、会社の背骨に当たる最も重要な部分です。その目標を踏まえて、自分に与えられた任務を実行していると、経過の言動に対して迷いは少ないです。組織には、いろいろな考えの方がいます。所属している組織の目標から「ぶれない」ためにも企業理念は行動の最も大事な指針であると熱意を込めて伝えてください。理念は会社の肝です。何度でも同じ熱意で伝えられる私であることが必要です。

 ただ、ここまでの内容を伝えるのにスラスラ・ペラペラ言ってしまうと、伝えたと満足するのはご自分だけで、新人さんの心にまで届く言葉になっていない可能性が高いです。

 これらのことをしっかり伝える目的を持って、できる限り新人一人一人に「~~はどのように思いますか、どのように感じますか、どのように理解しましたかなど、「5W2H」で質問をすると新人さんが日々考えるという良い訓練になります。このやり方は少し面倒かも知れませんが新人さんが言われて動くのではなく、率先して考えて動く人になる近道です。あなたは、未来の『人財』を育てていることをどうぞお忘れのないようお願いします。

② お世話をされてきた私から、お世話をする私へスイッチを入れ替える
 今まで何度か新人の皆さんは「相手の立場に立つ」という言葉を聞いたことがあるでしょう、では実際そのように動くのはやさしいことでしょうか。その方に能力があるとかないとかではなく、思いの置き所を相手に置けるかどうかで決まると私は理解しています。思いの置き所がしっかり定まると、社内の人・お客様とのコミュニケーションが取りやすくなります。研修の中で簡単に体感してもらっていることを紹介します。

 私が研修参加者に向けてある質問をし、引き続き
「イエスとノーの割合を知りたいので挙手をお願いします。」と言います。
「それでは、まずイエスと思った方、挙手をお願いします。(手を挙げている方の数を探しながら数える)ありがとうございます。次にノーと思った方、挙手をお願いします。(手を挙げている方を探しながらその数を数える)ありがとうございます。」

 これだけのことなのですが、相手の立場に立っての行動かどうかがすぐに分かります。

 私は「割合を知りたい」と理由を伝えていますが、その気持ちを汲み取った仕草をされた方はどちらの会場での新人研修でも0人のことがほとんどです。その場合、「なぜ、もう一度私が同じことを求めると思いますか?一分考えて下さい。それからもう一度同じ質問をします」繰り返し言いますが、教える時は常に『考える』を習慣に出来る人の育成」を頭に入れておいてください。二度目も結果はあまり変わりません。ここで私は、初めて理由の説明をします。

「皆さんの手の挙げ方は指先の位置が頭より低いためと、顔の肌色に近いところに手があるので手を挙げていることが目立ちにくいです。これは相手の立場に立った行動でしょうか。手を頭より上に挙げると、一瞬で分かります。」

もし参加者のアイコンタクトに納得の色を感じられないときは、
「前列の◇◇さん、前に出やすいのでご協力ください。」(なぜ私?手の挙げ方が悪かったからという気持ちを抱かせないために理由を言う)二通りの手の挙げ方を見ていただきます。その結果は一目瞭然です。

 特に挙手は、誰もが小学校一年生の頃から続けてきているので、「その通りだ」とすぐに理解していただける良い例です。どうぞご指導の時の参考になさってください。さらに皆さんは継続して新人さんのその後に関わるお立場でしょうから、良い変化には具体的に例えば「指先まで神経がゆき届いていますね」、「前より声量が出てきていて活き活き感じます」など『見逃さない』、『聞き逃さない』で誉め言葉を伝えましょう。あなたからの率直な誉め言葉は新人さんが何より喜ばれるでしょう。加えて指導者であるあなたの更なる成長にも必ず繋がり、まさに『一石二鳥』です。

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