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人間学・古典

第二話 「リーダーが自分を弱くするものは」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機

※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。



自分を弱くするもの、それは依存心であると考える。“溺れる者は藁をもつかむ”といわれているが、その一つの藁をも失ったとき、生き抜くための知恵と力が生まれてくる。


昔、ある国王が戦いに破れ、城内に孤立したとき攻城軍から手紙が届いた“すぐに降服せよ、背けば城を踏む潰す”というもの。これを見た籠城の王の回答は“もしも”のみ。“もしも踏む潰すことができなかったら逆に”という決死の覚悟とみた王は兵をまとめて帰ってしまったという。


言志四録に“一灯を掲げて暗夜を行く、暗夜を憂える勿れ、ただ一灯を頼めり”とある。
また、後漢書には“大夫 志を為すや、窮まりても当に益々壮んなるべし”とある。

要するに男子たる者は志を立てたからには、困窮してますます志を強固にすべし、ということで、人間社会に不可能なしと考えれば、孤立無縁の内にも活路を見い出す知恵が出てくる。

とかく窮地に陥ると依存心を起こし救済を求め、応じなければ批判攻撃してみる。これでは己の血圧を高めるだけに終わることになる。


私はある会社の再建に当たったとき主力銀行から貸金の元利棚上げの助け舟を言下に拒み、資金担当者に、借金返済のために見合預金を用いてはならないと釘を差したり、ことごとく安易な道を塞いでしまった。


また、再建五ヵ年計画を発表したとき、神社に達成祈願を契められたが祈願参りには行かないが
計画完全達成のとき、お礼参りに行くと話した。“天は自ら助くる者を助く”とあるが努力する者に天は援ける。その天の援けに対するお礼参りだと話しておいた。


※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。

 

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