出張先で見つけた「ゲゲゲの鬼太郎」です。ちなみに、3月29日(月)から始まったNHK朝の連続テレビ小説は、ゲゲゲの鬼太郎の作者・水木しげるさんの奥様を描いた「ゲゲゲの女房」です。今年は鬼太郎ブームが来るかもしれませんね! www.nhk.or.jp/gegege/
●東京・調布市にて。
●鳥取・米子空港でも見つけました。
今回のテーマは「総力の結集」です。「総力を結集してみんなで助け合ってこの難局を乗り切ろう!という掛け声はよく聞きます。大変に重要なことです。
ただし、社長がそう言って、従業員も賛成するのですが、実際の現場でその覚悟を確認してみると、ちょっと首を傾げたくなるような、がっかりするような反応にぶつかることがあります。
例えば「総力を結集して何をするのですか?」 という質問に対して、「この難局を乗り切るあらゆる努力をする」という答が返ってきます。
そこで次に「あらゆる努力のうちの一つでいいから具体的なテーマを教えてください」と聞くと、「これから考える」といった答が返ってきたりします。
しかし、これから考えるといってもこれはなかなか難しいテーマであり、そう簡単に答が見つからない可能性が高いです。
ナゼ難しいかというと、会社における通常の仕事は役割を分担して行われているので、それぞれの人が他部署の仕事内容をよく知らないことが多いのです。
特に大会社になると、自分の仕事以外の内容は全く分からないということが珍しくありません。ですから、みんなが集まっても、全員が揃っていったい何ができるのかを、見つけるのは難しいということになります。
そこで、総力を結集した上で大きな成果を出せるテーマをお教えします。みんなが集まらなければ絶対にできないことがあるのです。それは…、KZ法を使った在庫の削減です。
具体的には、社長も含めた全部門の役員、管理職の人たちにモノづくりの現場に集まってもらい、全員に一人当たり30枚のカードを配ります。
そして一望できる広さの現場を選んで、そこにある在庫のうちで例えば一ヶ月以内に使われない等の問題がある思われるモノにカードを貼ってもらいます。
そしてカードが貼られた在庫をすべてそれぞれが置かれている場所から動かして、現場外の一箇所に集めます。
移動される場所には不要品(古くて使えない、壊れていて使えないなど)、不急品(捨てることはできないがすぐには使われない)、要品(必要なものであるが置き場所や置き方などに問題がある)の3つの場所を作り、それぞれに該当するものを置いていきます。
現場からこれらのモノをどけると、どけられた場所はかなり広くなります。まずそれをみんなで見て、「そうか、必要なものだけしかないと現場はこんなに広いのか!」と驚いてもらいます。
次に不要品、不急品、要品を全員で眺めて、まずは「これは何だ?」という疑問から始まり、次に「何でこんな状態になったのか?」につながり、最後に「これを何とかするには、誰と誰が何をしたら解決できるだろうか」という議論に導きます。
現場の在庫の中に、誰も知らないうちにボウフラのように湧いていましたなどというモノは絶対にありません。必ず、社内の誰かが何かをした結果としてのモノが、現場に在庫としてあるのです。
例えば「ロットサイズが大きすぎるからだ」から始まり、「まとめて買うと安いと思ってたくさん買ったけれど、思ったほど注文が来なかったので余ってしまった」、「いつか修理しようと思って不良品を置いておいたが忘れてしまった」、あるいは「設計の複数の担当者が、本来なら共通部品化できる部品を別々に設計して在庫を増やした」といったようなことです。
これらの様々な理由があっても停滞している在庫を製造の現場では勝手に処理することはできません。せいぜい棚を使って整頓するくらいでしょう。しかし、それらが改めて目の前にすべて並んでいます。
それだけでなく、会社のすべての部門の代表者がそこにいますから、全員でこれからどうするかを一緒に議論して、改善案を抽出し、みんなで実行すればいいのです。そしてこれが、総力を結集して、助け合って難局を乗り切る方法ということになるのです。
ちなみに、この「KZ法」の導入のやり方を、2時間に及ぶ3社実施ドキュメンタリー映像とともにわかりやすく解説した「KZ法工場改善《導入実施映像DVD付》という著書がありますので、興味のある方は、こちらから詳細をご覧下さい。
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http://www.jmca.net/book/kakiuchi/kz/index.html
厳しい時代です。一人ひとりのバラバラな努力では乗り切れません。総力を結集して頑張りましょう。
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