街中に公衆電話ボックスは少なくなっていますが、変わったボックスがありましたので、写真におさめました。上の写真は高崎市、もう一つはタイで撮りました。
さて、今回は、毎日の改善活動の中で気付いた、「ずっと前からそうだけれど変えるべきこと」について、3つお話ししたいと思います。
1.声が聞こえない朝礼
先日、ある会社の生産現場で行われた朝礼に参加しました。私は一番後ろに立っていたのですが、大変に気になることがありました。
それは、話していた人(工場長)の声が全く聞こえなかったのです。自分の耳が遠くなった可能性もあると思い周りを見渡すと、みんな下を向いてメールを読んでいたり、ボーっとしていたりで、これはみんな聞こえていないなと思いました。
そもそも現場は、機械は止めていてもコンプレッサーは止まらずうるさかったり、あるいは天井が高く、広いので声がもともと通りにくかったりします。
工場長がどんなにいいことを話していても、それが聞こえていなければ全く意味がありません。社長はたいてい前に立っていますが、時には朝礼中に後ろに回ったりして朝礼が機能しているかを見ることもして下さい。
2.指摘の少ない安全パトロール
皆さんの会社で、どのように安全パトロールが行われているかがとても気になっています。毎月社長や工場長が主催して安全パトロールを実行している会社は多いのですが、先日指導先の会社で「今月の指摘件数は何件でしたか?」と聞いたところ、10件ちょっとという答が返って来ました。
私は、以前からその会社の現場を歩いていて、急で滑り易い階段とか、頭をぶつける可能性がある低い天井部分があることを知っているので、そんなバカなと思いました。
そこで、「あの危険な階段と天井は指摘されないのですか?」と聞いたところ、あの2つは以前からずっと長い間変えられず残っている危険項目であり、どうしても変えることができないから指摘もしなくなっているとのことでした。
危険であることは分かっているけれど、根本対策を打てないことも分かっているので、指摘してもしょうがないということですね。しかし、これでは安全パトロールの意味がありません。
根本対策が打てないということは、よくあることです。しかし、危ない状況であれば必ず事故が起きるのかといえば、決してそんなことはありません。
みんながしっかりと注意し続けられる環境を作ることができれば、それによって事故の未然防止対策となります。
例えば、急な階段に対しては、滑り止めはもちろん、照明や手すり、あるいは着色による注意喚起などを対策として実行することならだれでもできます。
そして、その状態を毎月細かくチェックし、少しでも滑り止めがヘタっていたらすぐ貼り換え、着色は毎月色を変えて注意を呼び起こすなどができるではありませんか。
そのためには、パトロールでしっかりと毎回の指摘事項として記録されることが必要です。パトロールする人が固定観念を持ってしまっては事故は絶対に減りません。
3、古いポスター
5S活動をしている時に、会社の人がなかなか手を付けられないでいるのが古いポスターです。なぜなら、「安全第一」や「報・連・相」あるいは「火の用心」など絶対正しい内容のものだと、例えそれがものすごく古いものでも、捨てることがその内容を否定することのように思えてしまい、捨てられません。
しかし、ポスターの役割を考えるとそんな古くから貼られているものが新鮮な情報を発しているわけがないのです。
そういうものは毎月貼り換えて、その内容の必要性をしっかり訴えるといった活動をして、初めて意味があるのであって、壁の景色に溶け込んでしまい誰もその内容に心がいかないといったことでは存在の必要がありません。
そこで、思い切って外してしまいましょう。そして、本当に必要なものをタイムリーに掲示しましょう。
以上3点、日常の改善活動のなかで気づいた、多くの現場で見られる改善事項です。この3つを頭に入れて、新たな視点で工場内をチェックしてみてください。
先ほども述べましたが、固定観念を持ってしまうと、改善はうまくいきません。そこで、違った目で改善のポイントを考え直してみるために、4月20日に日本経営合理化協会より「儲かるメーカー 改善の急所101項」を発刊しました。
本書は、改善の基本の基本から、これからの日本の製造業が目指すべき方向まで、広くモノづくりの経営をカバーした、改善虎の巻です。
現場の人が日々の仕事で活用できる本にしたかったので、構成は、見開き完結にしました。これならば、仕事の合間にチョコチョコ読めます。ご興味ある方は是非このサイトからお申し込みください。よろしくお願いします。
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