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社員教育・営業

第181回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方104『相手に好かれる聴き上手のスキル』

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

 前回、「研修効果を持続する仕組み」についてお話しました。今回は、「相手に好かれる聴き上手のスキル」についてお話します。

 「コミュニケーションにおいて最も重要なのは、「聴く」ことだと皆さんはすでにご存じです。「聴く」は字のごとく「十四の心で聴く」です。このような「聴く」にさらに「上手」が加わる「聴き上手」とは一体どういう意味でしょうか。一言で申し上げると、相手の立場に気持ちを全面寄り添わせます。

【相手に関心を持つ】
最初の印象は、どちらにとっても大切な瞬間です。その意味で私がいつも心がけているのは、相手が私の眼の隅に現れてから目の前にいらっしゃるまでのこの少しの時間の中で、聴覚より先に視覚で相手を迎え入れます。この少しの時間で関心が伝えられるので、「相手に関心を大いに持つスイッチ」を入れてくれます。

 ある時ふと感じたことがあります。私たちが人生において対面や電話で会話を交せるのは、ほんの一握りの人にすぎず、極端な言い方をすると、たとえ隣町という近い距離に住んでいても一生出会えずお互いの生涯が終えることがかなり多いのではないでしょうか。このような思いを抱いてから、私は出会えた「相手への存在としての感謝」を出す強く感じるようになりました。この気持ちは、相手への関心の深さに繋がったように思います。

【頷き方が相手をその気にさせる】
 「頷き」は、相手に話をそのまま受け入れてもらえている相手からのサインです。又しっかり聴いてもらえているという安心感が相手に生じます。私は職種として人前でよく話しをさせていただいていますが、時々回数多く頷いてくださる方がいらっしゃいます。頷き方は、浅く何度もなさるより、深くゆっくり「句読点」のところでなさると良いです。なぜなら句点の前で頷いていただくより、句点まで聞いてからの頷きの方がしっかり意味を理解なさっての頷きであることが伝わってきます。

  ただ電話応対の時は申し上げたような頷きは必要ありません。視覚がカットされていますので、ただの無言電話になってしまうだけだからです。電話の場合は頷きの変わりにするのは相槌です。

【相槌の種類と相槌を打つタイミング】
 相手の言ったことに共感する。「明るくテンポよく」を意識します。声量は相手と同じより一、二割下げると相手の話の邪魔をしないように感じます。

「はい」は、一番オーソドックスですが、応対中すべて「はい」ですとAIの対応のようにやや味気なくなります。一、二回は「ええ」をあえて使うと印象に変化をつけられます。ときどき「はい、はい」とおっしゃる方は気を付けましょう。

   本人はそのつもりがなくても軽くあしらっているような印象を与えてしまいます。「はい」の言い換えとして一ランク上の「承知しました」や「かしこまりました」があります。「かしこまりました」のほうが「承知しました」より敬意が高いと覚えておきましょう。敬意を伝えるために「かしこまりました」を使うときは、丁寧な音声表現も必要です。

   他には、「さようでございますか」、「おっしゃる通りですね」、「お気持ちをお察しいたします」「それはお辛いですね」などの言葉があるのでトライしましよう。電話応対の初心者を卒業できたと思えたら相手が話している間ずっと無言で聞き入るのではなく、頷きと同じようなタイミングで相槌をいれましょう。会話が滑らかになります。

 また、相槌には「うながし」という使い方もあります。話の内容をよく聴いた上で「それでどうなりましたか?」などと相手がさらに話したくなるような質問で、話の核心に導くことが出来ます。

【オウム返し】
 オウムは人の言葉をそのままくり返すのが上手ですが、その特徴を使うスキルがあります。無意識にすでにお使いになっていらっしゃるかも知れません。これからは意識して使いこなしましょう。相手がおっしゃった言葉をすぐに繰り返すだけで、「私が今言ったこと、すぐにわかってくれてよかった!」と感じていただけます。言葉ではなくセンテンスであっても、聞こえたとおりに「~なのですね」とそのまま繰り返していただくと、相手が安心なさいます。

次のページ続いての聴き上手のポイント 「要約する」とは

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