menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

キーワード

第12回(異業種の発想が新たな業態を生み出す)「Kanso」

「社長の繁盛トレンド通信」

◆Kanso◆


異業種の発想が、新たな業態を生み出す

 


 
「kanso」の店構え

テーマの「缶詰」に合わせて、外装はドラム缶でデザインした。ちなみに店名は「缶詰の倉庫」をもじっている。
  日本をはじめ、アジアやアメリカ、ヨーロッパなど世界中の缶詰がズラリと並ぶ。「えぞ鹿カレー」、「サムゲタン」のような珍品も。
     
客席は外。川べりで、缶詰とお酒を楽しむ趣向だ。

客が多いときには、ドラム缶が立ち飲みテーブル代わりになる。
 
 
異業種からの参入組がつくり出したニュービジネスが、業界に新風を巻き起こす。
そうした例は、枚挙に暇がない。
一昨年7月に開店した大阪・南堀江のカフェバー「kanso」も、その一つ。
同店は、清掃業やギャラリーの運営を手がける
(有)クリーンブラザーズが始めた"缶詰バー"だ。

 世界中から集めた缶詰の数は、150種類以上。
コンビーフやサバの味噌煮といった定番モノはもちろん、
「ガチョウの肉」「サムゲタン」「熊肉カレー」など、変わり種の缶詰も揃う。
値段は、1つ200円からとお手頃。この缶詰をそのまま客に出すスタイルだ。


  缶詰以外のフードメニューはパンぐらいしかないが、
若者から中年サラリーマンまで、幅広い客層を掴んでいる。
「変わった缶詰を試せる」「つまみの種類が多くて好きなものが選べる」…。
また、ドリンクがビール350円からと安いので、
つまみの缶詰と組み合わせても1000から1500円程度で楽しめることも、人気の秘密だそうだ。


 そもそも缶詰バーを思いついたのは、「缶詰のデザインは凝ったものが多いので、
アートとして成り立つのでは」と考えたのがきっかけ。
ドラム缶を使って、自分たちで内外装を装飾し、
さまざまな缶詰をディスプレイすれば、ビジネスになると踏んだ。
まさに、ギャラリー業の発想だろう。
また、缶詰を出すだけなら、料理の腕が要らないので、
飲食業の経験がなくても、始めやすかった。


 缶詰は日持ちするので、在庫ロスが極端に少ないし、缶詰を渡すだけなので店番が1人で済む。
ランニングコストが低いので、客単価が低くてもやっていけるわけだ。
現在では、隣の敷地を借り、店舗スペースを拡張している。


 最近では、駄菓子をそのまま出すバーや、
即席ラーメンが人気メニューになっている居酒屋も登場している。
異業種に参入しなくても、友人や家族に話を聞き、
業界の常識を取り払って考えれば、新しいヒット業態は生み出せるはずだ。

(カデナクリエイト/杉山直隆)


◆社長の繁盛トレンドデータ◆

『kanso(カンソ)』

住所:大阪府大阪市西区南堀江1-7-2

最寄り駅:大阪市営四つ橋線「なんば」駅より徒歩5分

TEL:06-4390-5286

第11回(売るための環境を整える)「HOP100彩」前のページ

第13回(不満の中にビジネス・シーズを見つける)「サロン・ド・サンク」次のページ

関連記事

  1. 第53回(モノよりコト、所有欲より経験欲「タミヤプラモデルファクトリー」)

  2. 第33回(普段使いを意識させる)「Freiheit フライハイト」

  3. 第6回(モノの価値を再評価する)「蒼 庵」

最新の経営コラム

  1. #9 一流の〈愛されるお客様力〉-初めてのお店で覚えてもらう術-

  2. 第56回 「家族主義」という言葉の変遷

  3. 第220話 土地は売ってしまいなさい

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 経済・株式・資産

    第83話 中国の経済格差は拡大かそれとも縮小か?
  2. 税務・会計

    第24回 第1回経営会議の進め方
  3. 税務・会計

    第10号 資金調達と連結バランスシート
  4. 健康

    第71号「WBCでのバントの意味とは?」
  5. 社員教育・営業

    第16号 “販売卸業”のための全員営業の活用法【実践編】
keyboard_arrow_up