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不動産

第43回 教育環境が良い事が大切。

売れる住宅を創る 100の視点

今回はフェーズ7「 住環境づくり 」の5項目の三番目に大切なポイントである『 教育環境が良い事 』の御説明を致します。

前回はフェーズ7「 住環境づくり 」の第1項目『 社会環境が良い事が大切 』のお話を致しました。『 社会環境が良い事が大切 』は不動産事業での用地手当てに関する際にはかなり重要な事でその大切さは私の今までの経験を通して御説明致しました。特に準大手や中堅ディベロッパーが新規分譲マンションや建売戸建で社会環境が良いと集客し易く販売も順調にいく傾向が高いのです。住環境が良い地域でも社会環境の悪い地域で「 戸建団地 」や「 分譲マンション 」の販売はかなり苦戦を強いられています。
 
さて、今回はフェーズ7「 住環境づくり 」5項目の第3項目です。毎回、申し上げていますが、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーにとってはこれから分譲予定物件の「 住環境づくり 」はとても重要で会社の良否につながります。ですので、今回のタイトルは三番目に重要な『 教育環境が良い事 』に致しました。今回も私の今迄の分譲マンションや建売戸建の設計業務の経験に基づいた大切な提言です。そして「 購入相談 」での購入予定者の生の声です。準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの方々に『 教育環境が良い事 』の重要さを具体的に御説明致します。
 
毎回、申し上げましていますが、私は2000年に体調を崩し「 東急設計コンサルタント 」設計部長を辞し退職致しました。「 東急設計コンサルタント 」在籍中に数多くのマンションの設計・監理の経験が現在では私の財産です。そして、2002年に「 碓井建築オフィス 」を設立し、現在までに十数社の準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの分譲マンションや建売戸建団地等の商品企画のコンサルティングや設計監修を数多く行っています。また、購入者向けに「 購入相談 」「現地同行チェック」や「 内覧会同行チェック 」も行っていますので購入予定者や購入者の生の声を沢山聞いておりこのコラムに反映させています。
 
これらの業務の経験を踏まえて、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの用地取得担当の方に申し上げたいのは、今回は特に用地選定にもかかわる事ですので『 教育環境が良い事 』は用地仕入れ担当者の方々だけでなく、 商品企画部門のメンバーの方々や販売担当の方々にも是非御読みいただきたいのです。
 
「 住環境づくり 」で三番目に重要なのが『 教育環境が良い事 』なのです。
「 住環境の良い地域 」で「 戸建団地 」や「 分譲マンション 」を販売致しますと、交通利便性が良いと直ぐに申し込みが入りますが、前回の『 社会環境が良い事 』や今回の『 教育環境が良い事 』がなおざりな地域ですと、販売に苦慮致します。
特に最近の分譲マンションや建売戸建の購入者は、子供の将来に配慮致しまして『 教育環境が良い事 』を非常に重視する傾向になってきました。
 
では『 教育環境が良い事 』とは何でしょう…。
具体的に申し上げれば、分譲物件の学区の公立の小学校や中学校の内容が良いかどうかです。
これは、ファミリー向けの分譲マンションや建売戸建を購入する方々にとっては、子供の将来を左右する重要なチェックポイントなのです。
特に分譲物件の学区の公立の小学校や中学校が荒れていて、学童人数が少ない場合は子供がいらっしゃる方は絶対に避ける傾向が強いです。

逆に分譲物件の学区の公立の小学校や中学校の評判が良く、他の学区の居住者の子弟が越境入学しており学童数が多い地域での分譲物件はその事が大きな売りになり、かなり多くの方々が申し込み、最近の事例では抽選倍率の高い物件が増えていると言っています。
そして更に、購入予定者は分譲物件の学区の公立の小学校までの所要時間や中学校までの所要時間もチェックしております。
 
小学校までの距離が徒歩5分以内( 400m以内 )を理想としています。中学校までの距離は徒歩10分以上( 800m以上 )かかりますと、その分譲物件の購入を躊躇する様です。理由は、登下校の時に寄り道をし、ナカナカ家に帰ってこないのを心配しているからだそうです。
現在、日本の社会は完全に2極分化が進んでいます。具体的には「 勝ち組 」と「 負け組 」に分けられています。子供が将来「 勝ち組 」になる為には、良い学歴を持つ事が重要なのです。その為には親が子供を小学生の頃より良い小学校、良い中学校、良い高校、良い大学を卒業させなければならなくなったのです。
 
世の中がこの様な傾向になっていますので『 教育環境が良い事 』を分譲マンションや建売戸建の用地取得前に良く調べませんと、準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーは、最近はどえらい目に遭い、会社の存続に関わってきます。特に準大手ディベロッパーや中堅ディベロッパーの社員は『 教育環境が良い事 』に関してあまり関心が無いケースが多いのが心配です。

現在、私が「 購入相談 」等で購入予定者に「 どうしてこの立地の物件を検討しているのですか…? 」と尋ねますと「 この地域の学区の公立小学校や中学校はとても評判が良いからです。 」と回答される方がかなり増えてきました。
この様な世の中の傾向をディベロッパーは無視できません。最近では多少、交通条件が悪くても『 教育環境が良い事 』の方を重視する購入者が、実際に増えているのです。
 
『 教育環境が良い事 』はこれからどんどん購入者の物件選定にかなり影響を、及ぼしますので重視して欲しいと思います。
 
次回は「 住環境づくり 」第4項目の「 自然環境 」に関してのお話を致します。
次回も期待して戴ければ幸いです。
 
以上
碓井民朗

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