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戦略・戦術

第三十八話 勝ち残る学習塾の差別化戦略 その1.退塾を減らす方法

中小企業の「1位づくり」戦略

こんにちは!
1位づくり戦略コンサルタント 佐藤元相です。

地方都市の50教室の直営店を展開する学習塾があります。

塾生は8000人を越え、中学や高校受験では、地域で1番結果を出している進学塾です。

数年前より、子どもたちの教育を支えていきたいと事業エリアを広げていきましたが、大学や研究室が集中するある都市に進出した教室では、最初の1年は黒字でしたが、他塾との競争と退塾生が増え、2年間赤字が続きました。

 

そこで最初は、退塾する子どもを減らすことから取り組みました。

退塾した子どもたちにアンケートをとりました。

そうすると退塾した子どもたちの意見が大きく3に分かれました。

 

1.先生が面倒みてくれない

2.友達との関係が悪い

3.成績が上がらない

 

「友達との関係が悪い」や「成績が上がらない」はなんとなく理解できますが、「先生が面倒みてくれない」というところが、なにかピンときません。

 

塾の先生は子どもたちと一生懸命に関わっていました。

アンケートからも授業に対して熱心な姿勢は伝わってきていました。

しかし「先生が面倒をみてくれない」は何を意味しているのか?

また、先生はどのような関わり方をしているのか?

そこで、先生と塾生との関わりをポイント制で数値化してみました。

 

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生徒との個別面談や保護者面談は1ポイント、声かけや電話でのサポート、ハガキは0.5と定めて60日間計測をすることにしました。

 

30日後の集計結果を検証してみて驚きました。

0.5ポイントの生徒がいれば、7.5ポイントの生徒もいたのです。

0.5ポイントと7.5の格差はいったい何なのか?

 

実態調査でわかったことは、0.5ポイントだった生徒は、優秀真面目でほとんど手間がかかっていません。一方で7.5ポイントだった生徒は、すこしやんちゃで、くせがあり、学力が伸び悩んでいることから先生との接点が増えていることがわかりました。

 

そうしたことから「真面目で優秀な子どもほど、先生が面倒みてくれない」という意見が上がっていたのです。コミュニケーションの量が圧倒的に少ないのです。

これらのことから、全生徒との接触ポイントを明らかにして、できる限り面談回数を平準化するよう取り組みをおこないました。

 

・一人ひとりの生徒に対して傾聴する時間を増やすこと。

・個別面談の機会を増やし悩みや課題を共有すること。

・ご両親へのホウレンソウを確実に実行すること。

 

以上のことを中心に、月間4ポイントを目標に実行しました。

その結果、3ヶ月後の退塾率はゼロになりました。

 

塾に限らず、経営改善で何より重要な取り組みは、お客さま対応です。

より多くのお客さまから選ばれる塾をつくるためには、お客さま対応のレベルを高めることが優先度の高い取り組みになります。このレベルを高めるためるのに特別な資金は必要なく、いまのチームで即実行できるので、業績が悪化している会社は、お客さま対応のレベルを高めることから始めていくと業績は良くなっていきます。

 

お客さま対応をより良くするためには、お客さまに不便を掛けたり、二度手間を掛けたり、イヤな思いをさせたりしているところを総点検することから始めましょう。

 

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