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マネジメント

第84回 『仕事に、”句読点”を打つ』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

「そんな毎日を送っているなんて、”You are a slave.”」

青色発光ダイオードを発明し、現在、カリフォルニア大学の教授をされている中村修二氏は、日本の
企業に在勤中、海外で出会ったビジネスマンに、よくこう言われたそうだ。

彼らが中村氏を「slave(奴隷)」と呼んだのは、なぜだろう。

青色発光ダイオードは、20世紀最大の発明のひとつと云われる。それなのに、発明した当時に中村氏が
所属していた企業が、十分な処遇をしなかったことが理由のひとつだ。
会社に「slave」扱いされたということなのだろう。

だが、それ以上に、休みも返上してただ働くばかりの毎日を過ごしていることをさしてでもあったの
だろう。仕事に対して「slave」だということだ。
仕事以外に自分の生活が無いようでは、人間らしい生活とはいえない。


外資系企業で働いてきた私も、この事実はしばしば痛感させられた。
欧米のビジネスマンは、猛烈に仕事をする一方で、プライベートライフを目一杯エンジョイしている
のである。
ビジネスマンになったからといって、それまで好きでやってきたことを葬り去る必要はまったくない。
趣味は趣味で続けていく。そんな姿勢も大事にしたい。

一日で自由に使える14~15時間のうち、仕事に10時間超も割いているというのは、月曜から金曜に
限っての話。
今の勤務体系なら、年間の休日は、実は、130~140日にもなる。二日働いて、一日休みの計算である。
意外に、休日は多いのだ。

日本マクドナルドCEOの原田永幸氏は、若い頃、プロのドラマー志望だったという。ビジネスマンに
転じた今も、週に一度、プロのレッスンを受けており、自宅でドラムを叩かない日はないという。
ドラムを叩いているうちに、心も身体も自然に生き生きしてくる。この心地よいノリを、グルーヴ
(groove)というのだそうだが、仕事にもグルーヴが大切だと痛感する日々だという。

「仕事という名の文章には、句読点が必要である」。
これが、長年、ビジネスマンとして歩んできた私の実感的結論だ。

人間力を深く広くするには、仕事以外の世界をもつことがぜひとも必要だ。
趣味もその重要なひとつである。
日本のビジネスマンは、趣味について問われると、「仕事が趣味」と笑ってごまかす人が少なくない。
だが、仕事以外の自分の世界をもっていないようでは、「Slave」といわれてもしかたがない。

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