前回のコラムでは「脳を鍛える際に欠かせない2つの法則」をお伝えしました。脳は、筋肉のように鍛えれば成長していくことは紛れもない事実です。では、脳が活性化したという言葉に代表される「脳を使う」ことと、反対に「脳を休める」ことには、どのような関係があるのでしょうか?
例えば、思いっきり歯を食いしばってみてください。何秒続きますか?
おそらく5秒程で徐々に力が弱くなっていく事に気がつくでしょう。この現象は、少し休めば、再びしっかり噛めるようになることが示すように、口を動かす脳の場所が疲れることによって生じるものなのです。
皆さんは、激しく運動した後にストレッチやマッサージをしていますか?
私は、運動後の整理体操のような行為も脳のトレーニングだと考えています。
筋肉や関節等であれば、多くの人が積極的に休める意識を持っていますが、脳に至ってはあまり意識をしない方が多いのが現状ではないでしょうか。筋肉と同様に、脳も使うこと一辺倒にならず、良いパフォーマンスを発揮するために、使い終わったら十分に休めることにフォーカスすることが大切です。良質なメンテナンスをして、次の目的でも良いパフォーマンスを発揮するために準備することです。一日の仕事の中で、集中度合いが高い程、脳を強く使うので、理想としてはその都度、脳を休められれば脳をより良好な状態に維持できます。
では、脳はどのように休めたらよいのか?
脳を休める方法の一つは「寝ること」です。しかし、仕事しながら何度も何度も寝るわけにはいきません。そこで、提案する方法が「脳番地シフト」という考え方です。
脳番地とは、脳の中に分布している、思考、感情、運動、理解、伝達、聴覚、視覚等の異なる機能を、住所を模して私が命名したものです。物事に取り組んでいる時には、どこかの脳番地が主となって強く活性化されます。したがって、一つの脳番地を集中的に使い過ぎずに、意識的に一番活動する脳番地を変えることにより、寝ずとも活性化させた脳番地の休息を促すというのが「脳番地シフト」という方法です。
「疲れたので右手に持っていた重い荷物を、左手に持ち替えた」という事例は、右手の動きを司る運動系脳番地から左手を司る運動系脳番地に変えたという脳番地シフトの代表例です。このような同じ系統の脳番地に限らず、異なる系統の脳番地にも意識的に適応させていくことが仕事の現場では特に重要になります。
例えば、事業計画を立てるために熟考した場合には思考系脳番地が活動するので、考えが煮詰まった場合には、報告や情報収集に切り替えて理解系脳番地を主に活性化させる。または、立ち上がって散歩をして運動系脳番地を主に活性化させるということです。
そこで、トップに立つ人ができる今月の月刊脳番地トレーニングは、
●脳番地シフトをすること
1. アイディアに煮詰まったら、立ち上がって歩く(思考系脳番地→運動系脳番地)。
2. 講話など話をしたら、風景や絵を見に行く(伝達系脳番地→視覚系脳番地)。
是非、脳番地シフトを取り入れて、今月を過ごしてみましょう。
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