前回、分譲マンションの「 商品企画 」には「 市場追随型 」と「 市場喚起型 」が有ると申し上げました。
そして、中堅ディベロッパーは「 市場喚起型 」の「 商品企画 」で良いデザインと今までに無かった良い住戸プランの
マンションを分譲し「 即日完売 」をして、大手財閥系ディベロッパーに勝つ事が大事だと申し上げました。
大手財閥系ディベロッパーは「 市場追随型 」の「 商品企画 」で分譲しても、「 ブランド 」の強さで完売できますが、
中堅ディベロッパーが大手財閥系ディベロッパーと同じ「 商品企画 」でマンションを分譲しましたら「 完成在庫 」
の山となります。そういう物件が未だに多数、売れ残っているのが現実です。
今回は新規分譲マンションの「 商品企画 」の打ち合わせの時に、
ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を参加させる事が非常に大事である事を進言致します。
しかし、ディベロッパーの中には、販売担当者に新規分譲マンションの「 商品企画 」会議に
参加させる時間を無駄な時間と勘違いして、「 完成在庫 」物件を売って来い…等と新規分譲
マンションの「 商品企画 」会議に参加させない中堅ディベロッパーが結構あります。
この様な会社の上層部のほとんどの方が「 作れば売れる 」時代を経験しているので「 商品企画 」
の大切さを認識しておりません。販売担当者は「 体力勝負 」で販売して来い…位にしか思っていません。
ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を「 商品企画 」会議に参加させる事のメリットは沢山あります。
一番大きいメリットは販売担当者が「 商品企画 」会議に参加した事で
販売物件を「 参加意識 」を持って顧客にセールストークできる事です。
顧客の質問にも、即座に回答でき、顧客から信用を得やすい事です。
顧客が販売担当者を信用してくれれば、その時点でその物件は確実に売れます。
ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を「 商品企画 」会議に参加させる事の二番目のメリットは、
顧客の生の声を「 商品企画 」に反映させる事ができるのです。
外部の会社に委託して出てきた「 市場調査レポート 」よりタイムラグが無く信頼性が有ります。
販売担当者が直接、顧客の要望等を聞いていますので、
その生の情報を次の新規分譲マンションの「 商品企画 」でおおいに活用できるのです。
「 商品企画 」会議にディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を参加させて、ブレーンストーミングを行いますと、
私共建築設計者が思いも付かない良い提案をしてくれる事が有り、ハード面での裏付けが確認されれば即採用です。
ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を
「 商品企画 」会議に参加させる事のメリットはまだまだ沢山有りますが最後に一言申し上げます。
それは、ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員の方々は
商品作りに参加していないコンプレックスを常に抱えています。
ですから、モデルルームで顧客にプラン等や建築的な質問されても回答できず、
自信無く「 商品企画担当に聞いて後ほど御電話でお答え致します。」になってしまうのです。
彼等は「どうせ俺達は売り子だから…。」と自嘲しているのをよく耳に致します。
結果、転社( 同じ業界で他社に移る )する人が多いのです。
人材は会社の宝です。ディベロッパーの販売担当者や販売会社の販売員を「 商品企画 」会議に参加させ、
有効活用するのが上層部の才覚だと私は思います。
以上