menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第272号 5億円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、経産省が推進する認知症予防実証事業に関する19年度の予算額である。これは、経産省が日本医療研究開発機構(AMED)と協力し、認知症の予防に効果的な製品やサービスを創出するため、研究者や健康食品会社をはじめとする民間事業者から、予防・治療に効果が期待できる素材をはじめ、知機能低下の予兆検知や意思疎通を円滑にする生活支援機器・サービスなどを公募。選出したものを研究開発課題として捉え、実証実験を行っていくプロジェクトである。期間は2019年からの3年間で8件程度の事業化を目指しており、AMEDより1課題当たり、年間1,000~2億5,000万円の研究開発費が提供される。


 現在、日本の認知症患者数は約500万人で、65歳以上の高齢者の7人に1人と推計されている。さらに認知症の前段階と言われる軽度認知障害と推計される400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備軍ということになる。


 “超々高齢化”が進展する日本にとって、認知症数の増加抑制は喫緊の課題であり、経産省では、認知症の対応として創薬研究や医療・福祉機関の取り組みに加えて、幅広い生活関連産業の巻き込みや新事業を活用する取り組みを加速させている。薬による治療だけでなく、認知症のリスクを低減・予防する製品・サービスや、認知症になってからも尊厳を保持して、その能力に応じて自立した日常生活が送れるように支援する質の高い製品・サービスの創出を促して、着実に社会実装していくことが重要としている。


 また一方で経産省は、昨年10月「認知症官民連携実証プラットフォーム」を開設し、認知症の予防や生活支援に関する情報を募集している。大学や公共団体、製薬会社をはじめとする様々な業種の企業が専用サイトに登録しており、認知機能の探索、リスク低減・予防、進行抑制、自立支援の提供などについて広く情報が集まっているようだ。


 これから高齢化がさらに進み、団塊世代が75歳以上になる2025年には、認知症患者数は約700万人に達する見込みである。認知症を予防するエビデンスがある健康食品や機器、サービスの市場は、今後、日本社会の切実な要請として拡大していくことになる。

 

第271号 次世代の消費キーワードとは前のページ

第273号 いまこそ越境ECで中国市場にチャレンジを次のページ

関連記事

  1. 第136号 通販の数字「22,876名」

  2. 第253号 通販健康オタク県は?

  3. 第153号 5億9,791万人

最新の経営コラム

  1. 第24回 営業マンに頼ることなく、売上高を確保できている

  2. Vol. 1 ニューヨークのビジネス界におけるトレンド:DEIとブランディングの重要性

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月1日号) 

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. コミュニケーション

    手紙・メール・SNSで使える!幸せを運ぶ前向きな言葉・おまじないの言葉・ウェルビ...
  2. マネジメント

    危機への対処術(2) 家を二分して形勢を見る(真田昌幸の決断)
  3. 不動産

    第46回 モデルルーム及びモデルハウスのオプション満艦飾は避ける事。
  4. 健康

    第24号 本屋はクスリ屋
  5. ビジネス見聞録

    講師インタビュー「DXはペーパレス化から始めよ」DX専門コンサルティングファーム...
keyboard_arrow_up