今日は4月29日、ゴールデンウイーク真っ只中です。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。待ちに待った連休です、目いっぱいリラックスして楽しみましょう!そこで私も、拙著「儲かるメーカー改善の急所101項」の中から、今回は最もポヨンとした急所99をテーマに選びました。
さて、先日T社の現場での話です。以前はT社の社員で、定年後の今はパートタイマーとして現場で働いている顔なじみのMさんと、T社長の3名でお話をしました。ちなみに私は、指導会社では必ず現場で改善の現物を見ながら、それを実行してくださった方と話をします。その日は、Mさんの改善が大きな成果を生んでいたので、早速現場に行きました。
Mさんの改善について簡単に説明すると、「それまで別々の場所にあった二つの工程を、自分の工程の周囲のモノを整理して空いた面積を作り、そこに前工程を移動させて一か所化して流れ化した」というすごいものです。
3人でMさんの改善について話をするなかで、T社長はMさんのことをとてもほめていらっしゃいました。とうぜん、Mさんは大喜び。そして最初は改善に関する難しい話だったのですが、場が和んでだんだん雑談になっていきました。
その中で、Mさんは「今の仕事がとても好きだ」とおっしゃいました。私が「なぜですか?」と尋ねると、こう答えられました。
「もともと改善のようなことは好きだったのだけど、今のように、改善をすると結果がすぐに社内で取り上げられて、人に説明したり次のことを考える場が用意されるとすごくやる気が出る。これまでは一人でやっていたけれど、今みたいにみんなで改善をすることはとても楽しい。実は家に帰っても、家族にその日にやった改善のことを話すんです」とのことでした。
そして最後に、「今日は社長も来てくださって、早くうちに帰ってこのことをみんなに話したいです」ともおっしゃいました。
Mさんの改善テーマの見つけ方は、少しでも大変だったり面倒くさいことがあったら「しめた!」と思って、それを楽に簡単にする方法を考えるということでした。改善をすると、「楽になるし、褒められるし、楽しいし」と言ってくださり、私もとても嬉しい思いをしました。
そこで私は横にいたT社長に対して「Mさんがこんなに喜んでくださるのは、社長が始められたこの改善の仕組みの賜物ですね、素晴らしいです!」と申し上げると、T社長は「いやいや、これを提案してくださった柿内さんのお蔭ですよ」とのお返事。
横で見ている人がいたら「うーむ、三人でほめ合っているなあ!!」と思われたことでしょうね。笑
でも、三人全員が幸せ感に浸っていたのは事実です。働く人が楽になって、その結果会社経営が良くなって、だからみんなが楽しくなって…という天使のサイクルが回っていたことは間違いありません。そして、Mさんのように「幸せ中心、楽中心で改善を評価する」というのが、改善の醍醐味だと思います。
このに「幸せ中心、楽中心で評価する」改善の進め方は、次回以降に詳しく述べていきます。残る連休をどうぞ目いっぱい楽しんでください。