変わり続けるための必須条件は「危機感」ということは、先にお伝えしました。
では、その「危機感」をどのように醸成し続けるかが、現場が危機感を持ち続けるかのコツのようです。
どうすると、思い続けられるか?それは、「打倒自分」今の自分に満足せず、今の自分をどう打倒していくかと、思い続けるようにするのが良いのです。「我、昨日の自分に勝つ」が、唯一の危機感醸成なのかもしれません。
ある、著名作家に教えてもらったことがあります。
「もっとも長く恋人、夫婦でいられる人はどんな人か?」「それは、この恋、この結婚は長く続かないと思っている人」と言われ、「えっ???」と思ったことがあります。理由を尋ねると「長く続かないと思っている人は、常に、長く続くためにどうしたら良いかを考え、対応しているからだ」と、なるほど、現状が当たり前になり、これは、いつまでも続くという発想からスタートすると、今に感謝もしなくなり、今より良くする対応も取らなくなるということなのです。
例えば、夫婦間で、この結婚は長く続かないと思い、長く続かすためにはどうすると良いか?と、思った時に、「家に帰ったら、居ないかも」と思えば「今、遅くなるからと1本電話しておこう」となるようです。当たり前にならない。というのがポイントの一つです。
経営も同じで
「長く続く経営をしている人は、長く続かないと思っている人」これが、危機感を生み出す第一歩かもしれません。明日倒産するかもと、思っているから、今一生懸命そうならないように頑張る力と、アイデアが出てくると思うのです。
危機感醸成でこの事例はすごいなと思ったのがあります。それは、ある企業の、昇進試験のテーマです。管理職になるための一次試験が、論文なのですが、そのテーマがすごいです。
「打倒自社」 つまり、野田の会社であれば、「打倒ビジネスミート」が論文のテーマなのです。そこで、必死に、自社を攻めることをライバル企業になっているつもりで、必死に考えます。そして、その後が、この方法のすごいところで論文に合格すると、次が面接試験です。そこでのテーマは、「打倒自社」を「打倒」する案をプレゼンするというものなのです。
打倒する方法を必死で考えないと、合格しません、そして、必死で考えれば考えるほど、次の試験が、受かりにくくなるという、面白い仕組みですが、危機感の醸成にはピッタリですし、批評家だけを生み出すことをしなくなる。素晴らしい方法です。
変わり続ける具体的方法の一つ「打倒自分(自社)」です。
そして、もうひとつの方法は、変わり続けるために、やり過ぎない考え方です。
経営者は、とても、ストイックな方が多いです。無理やり自分を書き換えたり、自分をいじめぬいても頑張るんだ。という方も多いようです。
そのために、「変えよう」と、思った時に、いきなりすぐに、そして、大幅に変える人が多いのです。
しかし、そのやり方をすると、どうしても「亀裂」が走るのです。反論者が出たり、ひどい時は、全員が会社に辞表を出したり。
では、変える場合に、やり過ぎないためにはどうするか?
「保守7割、革新3割」 なのです。
変える場合、この割合がもっとも、スムーズに行くというのが、師匠船井幸雄先生の経験則からのものを教えてもらった割合で、実際、ある企業で商品の変化構成を調べた所、毎年、3割づつ商品を変えています。そして、そこは、「懐かしいけど、変わり続けている」と受け止められているのです。
変わり続けるために、「打倒自分(自社)」で、危機感を醸成し、そして、変わるための案が出てきたら、意識として「保守7割、革新3割」の感覚で変えていくのが良さそうです。
次回は、どうしたら変わり続けられるのかのコツの続きを紹介します。