2.笑顔
新人研修のスタートのところでは、緊張もあるのでしょうが、総じて昨年より新人の方から笑顔を感じられませんでした。でも、お客様は緊張のせいで笑顔になりにくいのかしらなどと思ってくださいません。率直に「笑顔のない人」と一瞬で評価を下します。対面で最も重要なのは最初の印象です。その意味でも笑顔は目を合わせた瞬間の一本勝負と捉えてもよいでしょう。
ゴールデンウィーク後、マスクの着用は個人の判断となりました。今まで隠れていた口元は、自分が思うほどすぐに3年前と同じように動いてはくれません。再びスタートラインに立つつもりでのトレーニングが必要です。そうでなくても、笑顔には「笑顔のつもりが相手には笑顔に映っていないというギャップ」があります。
コロナ禍の時マスクをしていても笑顔に見えるための工夫が必要であったように、「5類」後の笑顔の作り方にも異なった工夫が必要です。
① 鏡を持って自分の口元だけが映る位置に鏡を持ってください。
② 母音の「イ」を5回短めに言います。「イ」・「イ」・「イ」・「イ」・「イ」
③ 次に「イ」を3秒位伸ばして「イーーー」を5回言います。
④ 次に③の「イーーー」に課題を二つ加えます。一つ目は音楽の演奏をするときの「クレッシェンド」、声量をだんだん大きくします。二つ目は、クレッシェンドをしつつ口の開け方を横に軽く開くから横に出来るだけ開きます。これを5回しましょう。
⑤ 5回目が終わった最後の口の形の筋肉を止め、その時の筋肉の位置をよく覚えておいてください。
⑥ では、鏡を自分の顔全部が映るところまで遠ざけてください。
皆さんいかがですか?鏡の中にフルスマイルの自分が映っていませんか。ただ、今のトレーニングはスキルとしてのトレーニングにすぎませんので、ここにお客様に対しての「ようこそ」の気持ちをたっぷり添えていただかないと、お客様の心に素敵な笑顔として届くことはありません。社内の指導者は以上のトレーニングを、新人社員入社前に全社員対象のトレーニングをすませておいてください。すると新人さんのご指導のとき「先輩の○○さんの笑顔をお手本にしましょう」と言うセリフも使えます。
3.挨拶に続くプラスαのお声かけ
この項目についてはどちらかというと、男性が苦戦していました。挨拶を交わすだけだと一往復の会話が、見たまま感じたままの言葉を加えると二往復の会話が出来ます。人は、言葉を交わすほど心の距離が近くなるので、会話のキャッチボールはお客様との又仲間との人間関係において大変重要です。
見たまま感じたままの「プラスα」について私が毎年新人社員の皆様にお願いしていることがあります。「「家から会社までの間に見聞きした小さな嬉しかったこと・楽しかったこと5項目」と「会社から自宅までの間に見聞きした嬉しかったこと・楽しかったこと5項目」を書いてもらうことです。
ただし、重複したことは書かないがルールです。例えば①目覚しが鳴る前に目が覚めた②今日着る洋服がすぐに決まった③信号が続けて3つ青だった④電車で座れた⑤更地に雑草の花が咲いていた——このような内容で十分です。一日10項目、一ヶ月で300項目、一年続けると何と3,600項目もの嬉しいこと楽しいことが貯まります!これらが全部プラスαの会話の種になります。
メモをし続けてくださっている方からのご報告によると「先生、体調が悪いときは、5項目書くのに苦労します。感じる力がダウンするのでしょうか。それに気づいてから健康管理にも注意するようになりました」とのこと。社内の指導者の方には、新人さんが3600項目達成まで、是非見守っていただきたいと願います。
3600項目の話の種については、「プラスαのお声かけ」に大いに役立つだけではなく、自分の身体の中に3600ものプラス項目が詰まっている人は知らないうちに、そうでない人に比べてオーラを放つことが出来ます。
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