設立10年の通販会社であるDoCLASSEグループの実店舗展開が好調だ。同社は婦人服の企画・製造・販売を手掛けるSPA(製造小売業)で、カタログ通販からスタートし、2011年以降はブランド認知拡大や新規顧客開拓、スケールメリットなどを目的に実店舗を展開。現在は、婦人服ブランド「ドゥクラッセ」が45店舗、婦人靴の「フィットフィット」が52店舗と、ショッピングセンターや有名百貨店を中心に店舗数を拡大し、今年6月22日には、新宿アルタ1階(JR新宿駅東口前商業ビル)に紳士服も含めたグループの旗艦店を出店している。
「ドゥクラッセ」は40~50代女性をターゲットに、体型の悩みに応えるモノづくりを行い、品質重視とお手頃価格の商品提供により成長し、 「フィットフィット」は人間工学をベースに外反母趾にもやさしい、デザイン性の高いコンフォートシューズブランドとして人気を得ている。2017年にはグループ売上高が210億円(前期比35%増)に達し、この売上高に占める店舗事業の割合は、 「ドゥクラッセ」が約25%、 「フィットフィット」は約75%まで拡大しており、19年末までに婦人服で60店舗、婦人靴66店舗の販売体制を整える計画だ。
このように、 DoCLASSEの実店舗展開はなぜ成功しているのか――。それは、カタログ会員250万人の存在が大きい。毎月届くカタログを見た後に店舗で実物を確かめる顧客が一定数おり、また新聞広告に掲載された商品の店舗販売も売上に貢献している。さらに「フィットフィット」に関しては、専門部隊が全国で催事販売を行っていることも、底上げ材料となっている。 DoCLASSEの店舗事業責任者は、失敗しない実店舗展開のポイントとして「各店長に損益計算書の数字を公開して、経営者目線で店舗運営をしてもらう体制にしている」ことを上げている。
実店舗展開に失敗する通販企業も少なくない中、同社と同様にカタログ通販大手のベルーナも、アパレル店舗を60店展開して順調に拡大させており、この2社の事業戦略に注目が集まっている。