このところ、インバウンド需要をどう取り逃さないか、というテーマを据えた講演やシンポジウムにしばしば招かれています。
確かに、ポストコロナ時代の大事なテーマです。大手企業にとっても地域の中堅中小企業にとっても同じですね。また、インバウンドを地域に振り向かせるために奮闘されている方も多いかと思います。
私はどう考えているかといいますと…。2つあります。まず「すでにそこにある存在を生かすのを優先すること」です。慌てて何かをこしらえても、成功はおぼつきません。ならば、もう今そこにある要素に光を当てようじゃないか、と。
もうひとつは「地域に暮らす人が注目していない商品なりサービスなりが、いきなり脚光を浴びるケースはごく少数」という事実です。まあ、ゼロとはいいませんけれど、成功する確率はかなり低い。以前、インバウンド需要を見事に掘り起こした大手小売企業のMD責任者に聞いたのですが「インバウンドを狙った商品を見つけるために、なにより、地域で局地的にでも売れていたり人気をさらっていたりするものを総ざらいしている」とのことです。私は納得しました。
で、今回の本題です。インバウンドに限った話でもなく、旅する人を必ずや惹きつけそうなヒントがここにあるのでは。と感じたのでお伝えしますね。
それは、製品ではなくて、一軒の飲食店です。これがまた「すでにその町に根づいている存在」で、なおかつ「町に暮らす人がちゃんと愛している」という事例。なにも飲食店に限った話ではなく、ここからなにかしらの教訓が得られるかもしれないと思い、今回綴ります。
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