「脳活動」という言葉をよく耳にすると思いますが、脳活動にはどのようなイメージがあるでしょうか?
脳が活動する時と活動しない時をはっきり区別しているかといえば、そうではありません。ごく小さな脳反応ではありますが、海岸線の波のように、活動したり、活動をしなかったりを繰り返しています。脳全体ではなく各脳番地の活動は、常に揺らいでいて変化しています。つまり、不安定な状態なのです。
脳の成長を考える上で、この“不安定な脳コンディション”は重要なキーワードになります。揺らいでいて不安定であるからこそ、容易に変化することができるからです。
歩く事を考えてみても、両足で安定して立っている状態から、崩れて一時的に片足立ちになり、一方の足を振り出すことで歩みを進めることができます。変化を起こして前に進むためには、“不安定な状態”が必要になるということです。成長に向けて歩みを進めることは、不安定さと表裏一体なのです。
歩くことは身体活動の例えですが、精神活動にも不安定さは存在します。
その1つが、“悩み”です。
悩みは、すでに慣れ親しんだ事で起こることは稀です。これは、既に経験しているために使われる脳番地の働きが、“不安定な脳コンディション”になりにくいからです。
しかし、物事を決定することが仕事のリーダーは、日々、慣れた事よりも新しいことに直面することが多いでしょう。そのため、毎日、脳が大なり小なり不安定な脳コンディションになりやすい事で満たされます。これは、脳に新しいネットワークを構築し、脳を強化する状態にあると捉えることがでます。
特に、眉間のあたりに位置している「思考系脳番地」は、物事の決定に関わるリーダーにとって重要な脳番地です。思考に、感情の乱れが影響するように、この「思考系脳番地」は、気持ちの変化に関わる「感情系脳番地」との間に強いネットワークを構築しています。
冷静な判断を迫られる経営者であるからこそ、感情系脳番地の変化と共に、自身の思考系脳番地の働きの結果である行動を確認し、振り返ることが、脳の強化のために重要になります。
そこで、トップに立つ人ができる今月の月刊脳番地トレーニングは、
1. 自分の心身を不安定にした事柄を書き出してみる。
2. その後、実行した行動を振り返る。
3.1から2に移行した行動の流れを今の自分ならどうしたか書き出してみる。
是非、このテーマで、今月を過ごしてみましょう。経営者と社員の脳の健康のために!