労務行政研究所は9月12日、一部上場企業の2012年年末賞与・一時金(冬のボーナス)の妥結状況を発表しました。それによると、冬のボーナスの平均額(加重平均)は前年同期比1.1%減の694,581円。業種別にみると、製造業は前年比1.3%減の705,724円、他方、非製造業は前年比0.1%増の645,154円となっています。この集計で回答した上場企業の大半が、春闘で年末賞与を含めて妥結していることを考えれば、納得できる数字かも知れません。
しかし、極端な円高、世界景気の減速、中国との関係悪化等を過小評価できないとする中堅企業も少なくありません。これから本格化する年末賞与の確定に、そうした背景を加味する企業もあると予想できます。
ただし、これらの数字は平均値であり、個別企業における賞与総額は自社業績を根拠に決定されるべきものです。昨年並み以上とする企業もあれば、より厳しい対応をせざるを得ないと判断する企業も出てきて当然です。
さらに賞与総額決定の次に来る個別の賞与金額の決定にあたっては、成績評価制度を正しく運用し、半年間の仕事の成果とプロセス(個々の社員の仕事品質)をきちんと評価して、納得できる賞与金額を支給することが大切であり、総和としての仕事力を企業全体で高め、明日につなげていくことが大切です。