menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第196号 16億7915万個

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、国土交通省が7 月に発表した13 年度の国内宅配便取扱い総数から割り出した、ヤマト宅急便の取扱い個数だ( 前年度比3.1%増)。
 
 このように好調なのは、アマゾンや楽天をはじめとするインターネット通販企業が、ヤマトへの傾斜を強めているからである。
 
 昨年、アマゾンが佐川急便からヤマトに切り替え、長期的パートナーシップを構築することを表明したことは記憶に新しい。
 
 一方、楽天の物流戦略も紆余曲折を経て、現在はヤマトに依存する形となっている。
 
 全国8 拠点に自前の物流拠点を開設予定だった楽天物流は、システムやインフラ整備に多額の投資をして債務超過に陥り、2014 年4 月、親会社である楽天に吸収合併されている。
 
 方向転換を余儀なくされた楽天のロジスティック戦略は、専門会社との連携を強める結果となった。
 
 また、ヤフーとアスクルが業務提携を結び、2012 年に開設した日用品通販サイトの「LOHAKO(ロハコ)」も、配送をヤマトに依託している。
 
 このようにヤマトがB to C 配送で圧倒的シェアを誇っている理由は、消費者からの信頼を一番得ているからだ。
 
 商品を消費者に手渡す“ラストワンマイル“では、ヤマトというブランド価値が強みを発揮し、「多少高くても安心して任せられるヤマトに頼む」ということである。
 
 国内No.1 の評価を得ているヤマトでは、さらに配送に対する付加価値を高め、効率化とドライバー不足の解消に向けて、今後3 年間、女性配送員を2 万人採用していくと発表している。
 
 3、4 名体制でチームを編成し、荷物を届ける新しい仕組みを導入。従来のドライバー単独の配送から、「チーム集配」に切り替えるという。
 
 これは、200~1 ㎞四方の配送エリアを1 人のドライバーと2、3 人の女性配送員がチームを組んで担当。
 
 地域情報に詳しい主婦層を戦力として活用することで、再配達にかかる時間ロスを減らし、女性ならではのきめ細やかな配送サービスにより、ブランド価値を高めていく狙いである。
 
 2018 年度には、小売業のネット通販化率は10%、金額ベースでは20 兆円規模に拡大すると予測されており、ネット通販の急増は、そのまま宅配取扱い数に反映する。
 
 女性を積極的に雇用することにより、人材確保と輸送能力の効率化、そして“ラストワンマイル“に磨きをかけるヤマトの快進撃は、当分続くことになるだろう。
 
書籍 白川博司著 『通販成功マニュアル』 好評発売中
 
書籍 白川博司著 『中国通販成功マニュアル』 好評発売中

第195号 縮みゆく消費市場を支える訪日客前のページ

第197号 成長するネットフリマ市場次のページ

関連記事

  1. 第137号 テレビ通販のネット活用

  2. 第164号 シニア世代のネット通販事情

  3. 第149号 1,000品目

最新の経営コラム

  1. 第24回 営業マンに頼ることなく、売上高を確保できている

  2. Vol. 1 ニューヨークのビジネス界におけるトレンド:DEIとブランディングの重要性

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月1日号) 

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第147回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方70「言葉を添える」
  2. 愛読者通信

    「次世代の経営者を育て、業績向上と事業承継を同時に成功させる方法とは」酒井英之氏...
  3. マネジメント

    第4回 社員を平等に扱うな
  4. 社員教育・営業

    第35講 事例を使ってクレーム対応の間違いと、最善の対応を学ぶ(4) ÿ...
  5. マネジメント

    逆転の発想(7) 不器用は強い(野村克也、小川三夫)
keyboard_arrow_up