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マネジメント

第138回 『簡単なことは同時にやる』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

 
前回に引き続き、限られた時間を効率よく使うための、
是非お勧めしたいしたい方法がある。
 
慣れていない作業や、難易度の高い作業をおこなうときには、
それひとつに集中しなければうまくいかないが、
考えてみれば、私たちの行動の中には、それほど注意を払わなくとも、
間違いなくやれることがたくさんある。
 
ならば、ひとつのことだけに時間を使っているのはもったいない。
私は強く、「ながら」をお勧めする。
 
 
たとえば、一時間のジョギングをしながら英会話や講演会のCDを聴く。
これは、体力づくり(健康維持)と勉強を同時にやることになる。
 
新聞は学問の教材ではないのだから、熟読する必要はない。
であるなら、ラジオやテレビのニュースを同時に聴くことができるだろう。
新聞の情報は眼で、ラジオやテレビの情報は耳からキャッチすればよい。
 
食事をしながら家族や部下と話をすれば、コミュニケーションを図ることができる。
一人で食事をするのであれば、本や新聞を読みながら、テレビを観ながら、
あるいは、CDを聴きながら・・・と、組み合わせは自由自在である。
 
トイレや風呂の時間も同様。
二つとはいわず、三つのことを同時にやることも可能だろう。
 
 
私の友人でこんな例があった。
 
転勤で大阪へ赴任したのだが、その二年間でスペイン語を勉強し、
東京に戻ってきたときには完全にマスターしていて、周囲を驚かせた。
 
訊いてみれば、やはり「ながら」であった。
 
営業で、一日中、車を運転している。
移動時間は常に、スペイン語のカセットテープをかけて聴いていたというのだ。
その時間を合計すれば、膨大な学習時間になるだろう。
 
ただラジオを聞きながら過ごしていた他の営業マンは、
その時間を平気で捨てていたことになる。実に、もったいない話だ。
 
 
ひとつのことしかやらない一時間は、そのままの一時間でしかないが、
同時に二つのことをやれば、二時間と同じ価値を生み出すことができる。
 
与えられた時間は等しく二十四時間であっても、
使う時間は、人によって大きく違ってくる。
漫然と時をやり過ごす人は、二十四時間の半分しか生きていないのも同然だろうし、
逆に、使いかた次第では、倍の二十四時間を生きることができるのだ。
 
 

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