すでにそこに在るものを生かすこと
最後に余談です。十日町市というのは観光地としては超有名というほどではないかもしれませんが、先ほどお伝えした棚田のほかにも、思わぬ魅力をたたえる存在を発見できました。
上の画像は、創業60年を超える地元のパン屋さん、フレンドリー高橋の「サンドパン」です。道の駅で見つけたのですが、値段は150円で、純朴な味わいが記憶に残りました。コッペパンの中にミルククリームを塗った商品なのですが、聞けば創業時からずっと作り続けているものだそうです。
夏空を見上げながら頬張る「サンドパン」は、初めて食べたのに、どうしてか懐かしさが込み上げました。こういう商品が旅を盛り上げてくれるものなのだと、改めて感じたひとときでした。
すでにそこにあるものを生かすこと。そして繰り返しになりますが、どうということのない場面でも客との会話の好機を生かしきること。地方の危機を脱却するためには、どちらも小さな話かもしれませんが、実は大事にすべき事柄だと思います。