ロスアンジェルスでは交通手段として9割以上の人が車を使います。日本のように路線事情が発達していないために、多くの人にとっては車が唯一の交通手段となってしまいます。
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- 第54号「アメリカ高速道路で学ぶ”パターンを知っている人達”」
先日、ラッシュアワーに高速道路を使うことを余儀なくされました。
高速道路を走っておりますと渋滞していたのにもかかわらず、ある場所に来ると右側のレーンが流れ始め、ある場所が来ると左側のレーンが流れ出す、といった状況がありました。何が原因であのようなことなるのか定かではありませんが、明らかに流れるレーンと流れないレーンでは全く違う流れとなっていました。
しかもよく見ているとそのパターンを最初から理解しているせいか、ある車は渋滞の中でも上手いことそのコツを使ってどんどん前に進んでいっているのです。特にトラックや宅急便のサービス車などは明らかにどの辺りにくると、どちらの車線が流れる、というのを理解しているのです。
一方、これらの車とは反対に一生懸命、前の車に幅寄せして少しでも前に出ようとし、やみくもに右へ左へとレーンを変えて必死に運転しているにもかかわらず気づいてみると、同じ場所にじっとしている車に抜かれて行ってしまう車があります。労力的には何倍もの努力をしているように見えます。車を運転している人ならばこれらの光景を見たことがあると思います。
なぜこの様な事が起こるのでしょう?それが今回のパターンを理解しているか否かの話です。
この原理は、場所がアメリカであれ日本であれ、同じことで、パターンを理解している人は理解していない人に比べてはるかに有利なのです。
これは車の運転に限った話ではありません。ビジネスやライフも同じです。
何につけても上達が早い人や他人より秀でた人は才能やスキルの差とかではなく、自分のパターンを理解するスピードが早いことに気がつきます。これはスキルや数字的なことだけでなく、感情などの目に見えないものでも同じことが言えます。
たとえば一生いいコンディションでストレスを感じない人などいません。しかし自分がある時期になるとストレスを感じやすくなる、というパターンを理解していると“この感情も一時的”というように考えられるようになり、決して恐れる必要がないことに気がつきます。
ストレスで悩む人の多くは問題を実態より大きく捉え、“怒り、悲しみ、圧倒される”などの感情を感じ、あたかもこれらがずーと続くように錯覚してしまい、やがてそれらが深刻なストレスへと変わっていきます。たとえ自分が怒りや悲しみを感じていても自分の感情のパターンを理解している人は“このパターンも一時的”“今日は○曜日だからだ!”といった具合に自分を客観的見ることができるため、ストレスといえるサイズまでには発展しません。
ちなみに自分のゴルフでもよく分析してみると必ずパターンがあることに気づくはずです。簡単なホールで大たたきする人。右に池が出てくるとメチャメチャになる人、左に池が出てくるとダメな人、ティーショットをナイスショットしたホールで大たたきする人、などなど。人にはそれぞれのパターンが必ず存在します。そのパターンを理解することが最速に結果を出すコツであることは言うまでもありません。冒頭で事例に挙げましたように単に懸命にレーンを変えようとして必死になる人と、パターンを理解して動く人とでは同じ労力を費やしたとしても全く違った結果を得ることになります。
是非、さまざまな場面で“自分のパターンってなんだろう?”と自問してみてください。今までになかった発見が必ずあるはずです。