他社と比べて魅力的な会社と感じてもらえるか?
ある時、コンビニ等に置いてある求人情報誌を開いてみると、土木建築の会社の募集内容が大きく掲載されていました。
・未経験の方も大歓迎
・プライベート充実!
・年間休日120日
・土日祝、年末年始、夏休み、お休み充分!オンオフつけて働ける
・月給35万円以上
・転勤なし、直行直帰可
・手当・待遇面も充実の安定環境
すごいな。この会社・・・。
月給は高い、休みは多い、残業は少なそう・・・。
どんな会社なのかウェブサイトを検索しました。
表示されたサイトを見ると、メインとなる「ニュー トピックス」は、2年前から更新されていませんでした。また、代表者の挨拶に本人の写真はなく、スタッフブログも全く人の気配を感じませんでした。
- 特別に知名度が高い会社ではない
- 社長の写真は掲載されていない
- 働く人の気配を感じない
- 何年も更新が滞っている
誰もが知っている大企業や有名企業であれば話は別ですが、求職者がこの企業サイトを見たとき、きっと不安になるだろうなと感じました。
採用難の時代に負けないためにも、小さな会社は人材採用戦略の見直しが急務です。
人は心配や恐怖から体や心を守ろうとする防御メカニズムを持っています。
人に不安を感じさせてはいけません。
「うちは給料が高い」とか、「うちは休みも多い」と言うことは、ほかの企業と比べて充分に格差を感じるほど魅力的なものになっているのでしょうか?
「給料」や「休み」に価値を感じる人を集めてしまっていないでしょうか?
給料や休みを強調しすぎると、そこにだけ意識が集まり、本当の価値が見えなくなってしまう恐れもあるのです。
人は本当に給料や休みで会社を選んでいるのでしょうか?
先日、複数の会社員の人たちに、「どうしてこの会社を選んだのですか?」とヒアリングをしてみると、こんな答えが集まりました。
- 会社が家の近くにあったから
- もっと成長できる仕事がしたかった
- 社長の人柄で決めた
- 働く人がみんな笑顔だったから
- 電話の対応がとても良かったから
- 社長のfacebookをチェックしたら共通する友人がいたから
- スタッフのブログを読んで楽しそうだったから
こうしたことを理由に会社を選んだ人たちは、人との関係づくりに積極的で、仕事へのモチベーションも高く、定着率が良いこともわかりました。さらにちょっと興味深い記事を見つけました。
- ご近所人材に脚光
- 主婦の時短求人
- 近所に少し出かけて業務する求人が増え始めた。
- 通勤時間がかからず、都合のいい時間に働ける仕事も多く、就労が難しかった人の潜在労働力の確保につながる。
- 近所の働き手を集めるための拠点を新設する人材派遣会社も増えてきている。
(日本経済新聞 2019年1月19日付)
フルタイムで働き続けようとする女性の場合、育児と両立させていくためには、職住接近が不可欠です。住宅の近くに会社があることは働く人にとって安心に繋がるのです。
ご近所人材を採用することは地域密着の会社にとって有効な手立てだと考えます。
更に「どうしてこの会社を選んだのですか?」という問いに対する答えに着目していただきたい項目があります。それは「社長の人柄」「社長のfacebook」「働く人の笑顔」や「電話の対応」「スタッフのブログを読んで決めた」という人間的な側面に多くの意見が集まっていることです。
相手のことを知ることで人は安心感を得る。反面、人は知らない人を警戒する。
つまり、あなたのことや、あなたの会社のことを公開すると選んでもらいやすく、採用に有利だということが理解できます。
社内旅行やイベントなどを楽しんでいることや働く人たちの思いなど、ありのままの姿を知ってもらうことも大切です。なんだかいい感じの会社だなと相手から安心感を持っていただけることでしょう。