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マネジメント

第188回 『コミュニケーションは人なり』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

『メラビアンの法則』という、コミュニケーションに関する有名な話がある。
 
一人のスピーカーが聴衆に対して話をしたときに、その人が相手に対して与える
インパクト、感動、感銘の度合いの総マグニチュードを100%とした場合、
話の中身、内容、コンテンツが持つ重要度はどのくらいか、という調査である。
 
答えは7%、ただの7%である。
 
残る93%の中、55%は服装、ジャスチャー、顔つきや表情から成る「非言語要因」、
38%が話し方、表現力等の「言語要因」だという。
 
もちろん、話しの中身がなければ文字どおり話にならないが、
相手にインパクトや感動を与える「効果的なプレゼンテーション」を行うためには、
それ以外の要素の方がはるかに重要である…という考え方には頷けるものがある。
 
 
多少は付加価値をつける意味で、
コミュニケーションやプレゼンテーションついての私の意見を述べてみたい。
 
マズロウの欲求の五段階説ならぬ、新のプレゼンテーション五段階説ということで、
必要な条件を挙げると次のような順位なる。
 
1.中身・内容・コンテンツ、
2.情熱、
3.非言語(服装、顔つき、体格、姿勢、ジェスチャーなどの外見)、
4.言語(話し方、声の質、スピード、抑揚など)、
5.全人格(人間性、人柄)
 
1-3-4はメラビアン説と同じ。
私はこれらに、2・情熱 と5・全人格 という項目を加えたい。
 
情熱とは
話し手側に「これだけは絶対に伝えてやろう、分かってもらおう!」という
燃えるような熱意があることで、
これがなければ人に話の内容を理解させることはできても、人の心を打つことはできない。
 
極端にいえば、とりあえず1と2さえあれば
プレゼンテーションはそこそこの評価を得ることができる。
 
1と2に質の高い3と4とが加わったときに、
プレゼンテーションはさらに効果なものとなる。
 
効果とは、
「こちらの伝えたいポイントが相手に正しく伝わり、
 納得と賛成を得た結果、
 こちらの意図した行動を相手に取らせて結果を出せる」
という意味である。
 
1から4までの条件にもうひとつの5・全人格 が加わると、
「頭での納得」は「心からの納得」に高まる。
 
 
経営者や上級管理者ともなると、多くの人は「人を見る目」もっている。
本能的に「こいつは本物かニセモノか」を見抜こうとしている。
 
いかに立派なスーツを着て上手に話しても、プレゼンテーションの効果は
しょせん相手の人格や人間性を超えることはできない。
 
「何をどう話すか」よりも「誰が話すか」が最後の決め手になる。
大方の政治家の弁舌さわやかな演説がいかに空虚に耳に響くかを思い出してみるとよい。
 
 
「企業は人なり」という表現がある。 私は、
「コミュニケーションは人なり」とも言いたいのである。

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