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人間学・古典

第五話 「名君と暗君」

中国哲学に学ぶ 不況は会社守成の好機


※本コラムは2000年代に井原隆一氏が書き下ろした「不況は会社守成の好機」全41話のコラムを再連載するものです。


中国の昔、唐の太宗が“名君と暗君の違いはなにか”とたずねた。

これに対し魏徴は、“名君は広く臣下の進言に耳を傾けますが、暗君は気に入った宋臣の言葉だけしか信じてないことです”と答え、こう説明を加えた。

“特に、いにしえの賢者曰く、疑問のことあれば庶氏に問う”とありますが、聖天子といわれた堯帝や舜帝は四方の門を開け放して広く人々の意見を聞いて政治に活かしたといいます。

これに対し、秦の二世胡亥(こがい)のように宮中深く居して臣下を退け“趙高だけ”信頼していましたので雇われの諫勝が反旗を翻し、これが秦滅亡の契機になることも気付かず。また唐の屋台骨を弱体化した安緑山の反乱も張九齢は、どの言を用いたら防ぐことができたのであろう。

 私の銀行時代のこと。統制によって七行合併して一行となったため一時、派閥乱を思わせた。 旧銀行閥、地元閥、学閥、縁故閥等、そのいずれかに組しない者は人にあらず的な扱いになる。互いに相手の欠点探し。


 現在、政、財界に悪事発覚が報道されているが、その多くは内部告発によるもののようである。それらの目的はいずれも競争相手の打倒といえるものではなかろうか。しかし、告発される者の 身から出た錆、その責めは告発された自身が負わなければなるまい。


 貞観政要には次の記述もある。太宗が宰相の房玄齢に悟ったもので“昔から国王のなかには自分の感情のままに振舞うのものが多く、機嫌の良いときは功績のない者にまで賞を与え、 怒りのときには罪のない者まで殺した天下の大乱はこうしたことが原因で起っている。どうか気付いたことは遠慮なく申しのべてほしい。そちたちも部下の諫言を喜んで受けるが良い。 部下の諫言を受け入れない者がどうして上司を諫言することができようか”と。

※一部旧字を現代漢字に変更させていただいております。


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