10月28日から一般公開が始まった、第45回東京モーターショー初日に行ってきた。
前回(2015年)、8年振りに復帰したFCA(フィアット クライスラー オートモービルズ)グループが出展しなかったため、アルファ・ロメオ、フィアットなどのイタリア車、ジープなどのアメリカ車がおらず、150社の出展となったが、自動運転、電気自動車(EV)、人工知能(AI)などの先端技術を搭載したコンセプトカーが多数発表されるなど、意気込みが感じられるモーターショーだった。
国内勢では、ホンダが「Sports EV Concept」というEV性能とAIを組み合わせたコンセプトカーや、ロボット技術を応用して渋滞時や信号での発進、停止時などの低速で走行する際、バイクがバランスを制御してくれるアシスト機構がついた二輪車「Riding Assist-e」、トヨタがドライバーの表情・動作・声色から複合的に感情や覚醒度など感情認識や嗜好をディープラーニング技術で推定する「Concept-愛i」、スバルがステレオカメラにより様々な物体の形状やその距離を正確に認識する運転支援システム「アイサイト」により事故ゼロという究極の目標に向けた「VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」など、各社とも自動運転を視野に入れたコンセプトEVを公開しているとともに、車で走る楽しさも強調していた。
海外勢でもベンツの「Concept EQA」、ハンドルがついていないsmart 「vision EQ fortwo」が出ていたが、直前まで視察で訪れていたシリコンバレーでは、自動運転車はメーカー単位の争いというレベルを既に卒業し、具体的な用途に沿った開発や、それぞれの先端機能のパーツ単位での陣取り合戦となっており、「コンセプトカー」という段階の発表は物足りなかった。
今年のモーターショー初日の一番人気は西館2階の「トミカ」で、12台の開催記念限定モデルのミニカー12台(700円、セット8,400円)などを購入するための行列は最長6時間にも及び、東京モーターショーグッズを販売する「プレミアムショップ」にも1時間以上の行列ができていた。
また、2008年のリーマンショックの影響で、入場者数が対前回43%減の61万人となった2009年の第41回東京モーターショー以後は、コンパニオン目当てのカメラ小僧も激減していたが、今回は久々に一眼レフカメラを持った人も多く、コンパニオンの衣装も派手目になっていた。
台風の影響で小雨模様にも関わらず、家族連れやカップル、中高年など幅広い人達が多く来場した今年のモーターショーを見て、いろいろな面で自動車産業が新たな一歩を踏み出したと感じた。