少子高齢化社会の日本は若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い「人口オーナス期」に入っており、戦後の高度成長時代の、若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない「人口ボーナス期」とは働き方を変える必要がある。
労働人口が多かった人口ボーナス期は、男性が働き女性が家事をするという分担や、同質の人間を揃えた社員構成、長時間労働などが良かったが、労働人口が減少する人口オーナス期には、働いていない育児中の女性などの労働参加を促し、育児休業や介護などに対応するため多様な人間が短時間労働をする環境を作ることが必要だという。
一人目の子どもが生まれた後の夫の育児・家事参画時間と、二人目の誕生も比例しているようで、今後の少子化対策からも残業を減らすことは有効だという。
また、2014年に、育児をする男性の数を介護をする男性の数が上回ったが、団塊の世代が65〜70歳になっており、親などの介護負担が育児を上回る問題になりつつある。
このような社会状況の中、企業はワークライフバランスを考え、社員構成や仕事の仕方を再構築することが重要になってきた。
■シンク・オブ・シングス(THINK OF THINGS)
東京・原宿駅から山手線沿いを3分ほど歩いたところに5月26日にオープンした「THINK OF THINGS」は、「ワークとライフの境界を超える」をテーマにしている。
ここは、創業112年の文具メーカー「コクヨ」が次の時代のスタンダード(好き、心地よい)を提案するショップ&カフェで、暮らしと仕事(学び)を割り切って考えるのではなく、同じベクトルで見渡すことでより自分らしさを認識したり、自分の可能性を見出すことにつながると考え、生活と仕事の双方に刺激や発見をもたらす道具としての文具、家具、ファッション雑貨などを自社商品だけでなく他社商品もセレクトして販売している。
また、入り口にある「OBSCURA COFFEE ROASTERS」がプロデュースするカフェでは、4種のコーヒーやお店で揚げる出来立てコロッケをはさんだコッペパンサンドが食べられ、自然に囲まれた中庭にも出られる。
この場所の使い方も、仕事をしている人、デートのカップル、文具を買いに来た人、コーヒーを飲みながらゆったりした時間を過ごしている人など多様で、新たなワークライフバランスを考える場所となりそうだ。