最近、コッペパン専門店には行列ができ、新たにコッペパンをメニューに加える店も増え始めるなど、コッペパンが注目されている。
コッペパンは戦後の学校給食に取扱が簡単、安価、小麦が原料、麺より衛生的、加熱不要などの理由から採用され、「昭和の給食メニュー」の定番だったので、団塊世代以降の中高年には懐かしく馴染みもあるため、幅広い層に人気が出ている。
また、コッペパンは「盛岡のソウルフード」とも言われ、ご当地グルメにもなっており、特に県内に4店舗を構える創業70年(1948年の創業)のコッペパン専門店「福田パン」は有名で、朝早くから行列ができるという。
福田パンはコッペパンにお好みの具を挟んでもらうという買い方で、揚げ物や野菜系などを挟む食事系、人気のあんバターなどのデザート系など60種類があるが、現在のコッペパンブームの源流はここにありそうだ。
■吉田パン
東京葛飾区・亀有駅近くの「吉田パン」は盛岡の福田パンが想いや製法、材料まで全てを初継承したコッペパン専門店で、2013年4月にオープンした姉妹店で、毎日行列ができている。
大きめのコッペパンに好きな具を挟んでもらう対面式のカウンターによる販売方式で、一番人気のあんマーガリンなどの単品に加え、黒豆きな粉+あん(200円)、抹茶+あん+ホイップクリーム(270円)などオリジナルな組み合わせもできる。
オリジナルは食事系もでき、野菜サンド(320円)に+ハム(390円)、たまご(410円)、ごぼうサラダ(450円)や、月〜金に販売しているハムカツ、コロッケなどの揚げ物(450円)を挟むこともできる。
■盛岡製パン
盛岡の美味しい食文化を広め発信していきたいと、今年4月28日に千葉県行徳にオープンした「盛岡製パン」は、毎日1,000個を販売、続いて9月9日にオープンした東京都狛江店の初日には1時間半待ちの行列ができた。
盛岡文化を発信するというコンセプトから、メニューには「盛岡じゃじゃ麺」(360円)、「前沢牛コロッケ(460円)、「薪窯炊き『のだ塩』ミルククリーム」(190円)などもあり人気となっている。
■コメダ謹製『やわらかシロコッペ』
このようなコッペパン人気はカフェのチェーン店でも取り入れられ、コメダ珈琲店は東京スカイツリー併設のソラマチに「コメダ謹製『やわらかシロコッペ』」というテイクアウト専門店を9月1日にオープン、ドトールコーヒーは「パンの田島」というコッペパン専門店を2015年に横浜に開業、現在首都圏で6店舗があるし、プロントもコッペパンコーナー併設店を出している。
安く、いろいろなバリエーションが楽しめるコッペパンは、若い人には新鮮なB級グルメ、中高年には懐かしい昭和の味の復活としてまだまだ人気が拡大しそうだ。