アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどで既にサービスが始まり、いろいろな意味で話題となっていた「ポケモンGO」というスマートフォン・ゲームが7月22日に日本でも開始された。
このゲームは、1996年に任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」用に発売され、小学生に大人気となった「ポケットモンスター 赤・緑」というゲームの最新スマートフォン版だ。
一般的に「ポケモン」と呼ばれるこのゲームは、その後、テレビアニメやカードゲームなども登場し、ゲームソフトの販売本数は全世界で2億7,900万本とされ、アニメで有名になった「ピカチュウ」を始めとしてポケモンのキャラクターは800種類にも上るとされている。
ゲームは各地を旅して、ポケットモンスター(ポケモン)という不思議な架空の生き物を捕獲、育成してポケモンリーグという大会に出場したり、ポケモン図鑑を完成させるなどを目指すもので、今回発売された「ポケモンGO」は、スマートフォン片手に実際の世界を歩いてポケモンを見つけ捕獲、育成してゆくというものとなっている。
そのため、先行したアメリカではゲームに熱中して崖から落ちたり、交通事故を起こしたり、軍事施設に侵入して逮捕されるなど「歩きスマホ」による事故なども多く、菅官房長官が7月22日の記者会見で注意喚起をしたり、内閣府サイバーセキュリティセンターが配信前の7月20日に「『ポケモンGO』に関する注意喚起について」と題する文書を発表するなどしている。
しかし、部屋にこもってゲームをしていた若者が外に出てポケモン探しをすることで運動になったり、他人とコミュニケーションを取れるようなるなどの効果もあり、スマートフォンゲームの新たな展開が始まりそうだ。
また、アメリカなどでの大ヒットを受けて、(株)ポケモンに出資している任天堂株が急上昇、7月22日の終値は10日前の2倍となる2万8,220円となったし、日本での公式パートナーとなったマクドナルド株も急上昇、日本で配信が始まった当日の夕刊各紙は揃って1面に掲載するなど、大ブームとなっている。
■Niantic(ナイアンティック)社
ポケモンGOの開発を行い配信しているのは、アメリカのNiantic(ナイアンティック)という会社で、2010年にGoogleの社内ベンチャーとしてサンフランシスコで創業、2012年にポケモンGOの土台にもなっている「Ingress」というゲームを開始、日本ではこれを使ったイベントを各地の観光協会が企画するなどしている。
そのため、ポケモンGOはGoogleのサーバー、地図はGoogleMapを使用しており、日本のキャラクターとGoogleの最新技術が融合したことによるヒットと考えられる。
ポケモンに詳しくない人もぜひ一度お試しいただきたいが、ゲーム開始直後に出る3匹を捕獲せず、無視して600mぐらい歩くと有名な「ピカチュウ」というキャラクターが登場するので、確実に獲得できる裏ワザもある。