オープンから10周年を迎えた東京・六本木の東京ミッドタウンにあるスターバックス・コーヒーが、5月19日にリニューアルし、2階に洗練された空間で特別なメニューが味わえる「リザーブバー」ができた。
ここは世界的にも希少なコーヒー豆をさまざまな淹れ方で提供したり、ワインなどのアルコールも楽しめるのが特徴で、ミッドタウンとギンザシックス店でしか飲めない「コーヒー・スティープ・ビール」(820〜1,160円:アルトビールにコーヒーの風味がついたアルコールドリンク)、「アイス・フォーム・マキアート」(800〜1,140円:ミルク、エスプレッソ、泡立てたコールドフォームミルクの3層)、「エスプレッソ・トニック」(820〜1,160円:天然のキナが使用されたトニックウォーターとエスプレッソ)が人気だ。
私は「エスプレッソ・トニック」を飲んでみたが、これからの暑い季節にちょうどいい爽快なアイスコーヒーだったし、全国から選抜された精鋭のブラックエプロン・バリスタがコーヒーを淹れるところの見学もでき、視覚でも楽しめた。
かつての六本木には小川が流れ、ヒノキの木々が生い茂っていたことから着想を得て、創業地のアメリカ・シアトルのデザインエッセンスも加えた2階の内装は「都会のオアシス」のような空間となっている。
■Third Place(第3の空間)
「スターバックス」のコンセプトは「Third Place(第3の空間)」だ。
「第1の空間」である自宅、「第2の空間」である職場に対して、安らげる「第3の空間」が特に都市生活者には大切だとされ、社会学者のレイ・オルデンバーグは「ザ・グレート・グッド・プレイス(The Great Good Place)」という著書の中で、「第3の空間はより創造的な交流が生まれる場所」だとし、イギリスのパブ、フランスのカフェ、日本では居酒屋などがこれに当たるとされている。
創業者ハワード・シュルツは、「スターバックス・コーヒー」の位置づけをコーヒー店ではなく「第3の空間の提供」としているため、今回オープンした「リザーブバー」も、「都会のオアシス(空間)」「バリスタとのコミュニケーション(サービス、コミュニケーション)」「3つの店舗限定ドリンク(商品)」を、最も優れたかたちで取り揃えたものとしている。
休日などは階段に行列ができ、1階は通常のスターバックス店のため間違えて上がってくる人も多いが、落ち着いてきたら六本木のオアシスとして利用したい場所だ。