
丸の内は通称「百尺規制」と呼ばれる100尺(約31m)までという高さ規制があったが、1970年の建築基準法改正で撤廃され、2002年に建て替えられた37階の丸ビルを始めとして、現在では低層部分に以前の面影を残した高層ビルが立ち並んでいる。
1931年建造の東京中央郵便局も、82年目の今年、旧東京中央郵便局の局舎を一部保存・再生した低層部分を含む、地下4階~38階のオフィスビル&都市型複合施設である「JPタワー」に建て替わった。
ここには新しい東京中央郵便局、オフィスと共に日本郵便が始めて手がけた、地下1階から6階まで7フロアの「KITTE(キッテ)」という商業施設が入っている。
1~6階の中央が三角形に吹き抜けとなっているKITTEは、「Feel JAPAN」をコンセプトに、全国の食の名品や名店、人気雑貨セレクトショップなど98店舗(物販71店舗、飲食27店舖)が出店、3月21日の初日から連日大勢の人が訪れ、4月1日には来館者数が計100万人を突破している。
私も東京駅に行く度に何度か行っているが、中高年層を中心にした首都圏、全国からの観光客などで、どの時間帯に行っても混んでいる。
天気の良い時は、東京駅丸の内駅舎を一望できる屋上庭園の「KITTEガーデン」に上る人が多いし、4階にある八角形の柱や壁の傷なども当時のままの状態になっている、旧東京中央郵便・駅長室も人気のようだ。
店舗では、日本独特の染め技法や「注染」で作られた手拭いや風呂敷を扱う「nugoo 拭う鎌倉(ヌグウ・カマクラ)」、木で作られたiPhoneケースなどを売る「Hacoa DIRECT STORE(ハコア・ダイレクトストア)」、京都の雑貨店アンジェの「書斎」をテーマにしたステーショナリーショップ「アンジェ・ビュロー」、日本古来の素材や製法を生かした自然派化粧品と食品を扱う「北麓草水(ホクロクソウスイ)」、品質やこだわりを大切にして機能的で美しい「暮らしの道具」を展開する300年の歴史を持つ老舗「中川政七商店」など、「 古(いにしえ)と新しい感性の融合フロア」というテーマがついた4階に面白い店が並んでいるし、今までは空港のみの出店だった3階の無印良品の旅・移動・ビジネス・学習・遊びに役立つ商品を集めた「MUJI to GO marunouchi」などもあり、見て回るだけでも楽しめる。
飲食も、6階は回転寿司・根室花まる(北海道)、金華豚料理 平田牧場・極(山形) 、信州松本ヒカリヤ(長野)、おばんざい・菜な(京都)、神戸六甲道・ぎゅんた(兵庫)、ピッツェリア エ トラットリア ダ・ボッチャーノ(愛媛)、宮崎料理・万作(宮崎)など全国のいろいろな種類の料理店が並び、1階は千疋屋総本店や、タリーズコーヒーと伊藤園がコラボレーションした「丸の内CAFE会」があり、どこも連日行列ができている。
東京駅という立地を生かし、高齢化という社会背景も考慮した店舗選びが人気の秘密だと感じている。
======== DATA =========
●KITTE(キッテ)
http://jptower-kitte.jp/
所在地:東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
営業時間:物販11:00~21:00(日曜・祝日に限り11:00~20:00)
飲食11:00~23:00(日曜・祝日に限り11:00~22:00)